2000年頃から盛んにネットを中心としたサブカル分野で騒がれていた児童ポルノ法(いわゆるジポ法)の改正案が、民主・自民・公明の与野党三党による超党派議員立法としての臨時国会提出を目指すとしている。
内容についての詳細は鷹岑自身は良く判らないので、この改正が二次元創作物にまで及ぶと言うことを前提にして、一般論として言わせてもらえれば、鷹岑はジポ法がいわゆる創作物(イラスト・ゲーム・小説等)に対する範囲まで規制対象とされることは、現実的には困難(と言うか、無理)であると、これもずっと前から言っている。
日本の経済財政は時の政府の方針や、欧米先進諸国の政治経済情勢によって大きく左右されるものだが、そう言った自称に囚われることなく、独自に底堅い文化を育み、また経済的にも比較的安定している分野が、アニメや漫画・ゲームといった、いわゆるアキバ系を代名詞としたサブカル分野である。これは、この文章を読んでくれている諸卿が一番よくわかっていることであり、鷹岑が今更言うまでもないことだ。

さて、今回のジポ法が指摘する単純所持の規制と、性犯罪の因果関係、そして仮に漫画やイラスト、ゲームなどの創作物にまで及ばすということならば、それを具体論として示してなお、そう言う法規制を強化することによるサブカル分野への大打撃と言うことも加味して議論する必要がある。
この公記でもよく指摘してきたが、同じ2000年頃の音楽著作権法の改正(改悪)によって、それまで盛んだったMIDI文化が一夕に崩壊した先例もあることを、与野党ともに議論する価値はあるだろう。JASRACの利権維持のために、非営利のMIDI使用にまで利用料を取ろうとしたが、結果は壊滅させてしまったのである。
ジポ法がそうした規制を想定するとするならば、改正法施行後は、日本のサブカル文化は惨憺たる荒野となる。現実においても韓国や台湾と言った近隣諸国を始め、米国やフランスなどでも日本のサブカル文化が特に注視され、数少ない日本が世界に誇れるアキバ系文化の旗手になろうとしているのを止めさせるばかりか、極論だが一文化の急速な衰退と滅亡、現実的にはそれこそ海外での才能文化を展開させるようなクリエイターが多く出ることになりかねない。

鷹岑はジポ法の改正には必ずしも反対ではないが、ただ性犯罪の元凶に、アニメや漫画・ゲームありきという考え方は短絡過ぎているように思えてならず、そうした創作物にまで過剰な人権論を振りかざして焦土化にしてしまおうというのは、非常に危険なものであるように思えてならない。ゆえに、以前、ある成人向ゲームが外圧を受けて発禁になった記事についても触れたことがあるが、あれにも鷹岑は当然、反対である。

日本のこうしたアキバ系サブカル分野は、世間の立ち位置としてはまだまだ下層なものであるかも知れないが、景気の底支え程度にはなっている、裾野の広い重要な分野であると考えているので、偏見は持たず、整合性の取れた改正を求めたいと思う。MIDI文化の二の舞を演じては決してならないと思います。