支持している漫画家・瀬尾公治氏の最新刊である、「君のいる町」(以下略:君町)の第五集が発売。これのために、普段仕事帰りに直行しない本屋へ寄ってから帰宅する。序でに、かつて支持していた小林尽氏の「スクールランブルZ」も入手。光永康則氏の「怪物王女」の第九集も見つけたので買った。
舞台は広島。国民新党・亀井静香代表代行の地盤に位置する田舎町。瀬尾氏の故郷と、本領たるラブコメ路線を調和させた、前作・涼風に匹敵する良作の雰囲気を醸成させている。

メインヒロイン・枝葉柚希が母性愛的包容力をもって主人公・桐島青大を包み込む場面をして、個人的にはやはり順当に青大と柚希で落ち着くのかなあとは思うのだが、何となく今回は青大×柚希という王道には行きにくいのかなあと思うのだが。
瀬尾流のショートヒロインからロングヒロインへの政権交代とはいうものの、微妙に神咲七海とソフトランディングしそうな雰囲気でもある。
新キャラ・菊川琴音が前作・涼風の桜井萌果的な立ち回りを演じている印象。彼女の登場で、柚希≒萌果の路線は修正され、柚希は純粋に
瀬尾流ラブコメの新タイプヒロインとして確立したような気がする。幼なじみ・加賀月は完全なキャスティングクレジットの連名タイプだ。

▼枝葉懍が指摘した気になる「キープくん」~神咲七海、ビッチと化けるのか

鷹岑としては、神咲七海は、ややソフトタッチな朝比奈涼風というイメージなので、当初からこの娘が良いなあ! という封には感じていなかった。とはいえ、柚希も同様で、やはり前作をある程度蹈襲された上での世界観なのかなと思えば、第4集のオビで俳優の城田優がコメントしているように、どちらも選べねえ! という感じなのだろうね。
瀬尾氏の描く主人公には、SchoolDaysの伊藤誠、君が望む永遠の鳴海孝之、ホワイトアルバムの藤井冬弥、メモリーズオフ2ndの伊波健と言ったような、代表的悪漢はいない。確かに、ラブコメでは原則的要素である「無性にもてる」のだが、瀬尾流ラブコメの主人公たちはとかく良い奴なのである。
第四集と今五集で枝葉懍がそれぞれ指摘していたが、神咲七海にとって、青大は「キープくん」。懍が帰京する際に青大を連れ回したことを疑問に問うと、青大は責任があるとした。青大は美少女たちにいい顔をしようという野心はさらさら無く、純粋に任務をこなす、「忠義の人」なのである。ここが瀬尾流の主人公のポイントだ。SD伊藤や、WA藤井らは、遍く異性に優しき、「仁愛の人」。忠節を重んじる人間というのは、元来身持ちが堅く、また極めて朴念仁。瀬尾流作品に登場する、服部や氷室ら調子の良さそうな今時青少年らも、やはり憎めずだ。

そんな中で、懍が指摘した、「桐島青大キープくん論」
これが、鷹岑の中で結構引っかかっているのです。
「つき合う気はないけれど、他人に取られてしまうのはちょっと惜しい。つかず離れずで気を持たせておこう」という定義らしいのだ。

つまり、それは俗に言う、完全なる「腐れビッチ」である。さてはて、事情は如何にせん神咲七海。今の現状からどう脱皮するのか。腐れビッチか、ヤンデレか。今のところは中道を行く一読者鷹岑昊、柚希と七海に、一筆啓上。

22264fc0.jpgこんな枝葉柚希と、神咲七海は嫌だ!

① 柚希が西園寺世界(SD)、七海が桂言葉(仝)的な君町。
② 心境の変化だからと言って、柚希がショートになり、七海がロングになってしまう君町。
③ 実はどちらかが朝比奈涼風と親戚でしたと言って前作との血縁関係にする君町。
④ 柚希と七海が結局百合になってしまう君町。
⑤ 二人が創×学▲と幸×の科△にそれぞれ入信していてカルト教団同士の代理戦争になってしまう君町。


追加イメージCV

菊川琴音 … 川澄 綾子

氷室 …中村 悠一