ネット投票、順調に進んでおります。ありがとうございます。
あなたの苦手な」キャラクタアンケートも設置いたしました。他の投票同様、是非ご参加下さい。一定票が集まりましたらば、責任をもって瀬尾に伝達致します。不謹慎ではない厳しいコメント大歓迎です(^_^.)

さて、鷹岑家文書・鷹岑流考察「君のいる町」は、今週は合併号なので、ちょっと長文になります(いつも長文ですが)。

自然体の青大と柚希、明日香には見られぬ思慕の根底

が るかな愚鈍明日香歯牙にかけ

御島明日香、恋愛暗愚の極みを呈す

そもそも、枝葉懍が仕掛けた囲明救柚の計の奏功が枝葉柚希との接近を後押しした結果となっているわけだが、鷹岑はこれもまた以前から指摘しているように、 御島明日香があまりにも愚鈍であることを強く懸念している。
桐島青大との恋愛関係、そして彼女が青大に寄せる“強い信頼”というのは「根拠」がない。物語を俯瞰すれば誰でも分かると思うことなのだが、青大と柚希の “関係”と言うのは、単純な「信頼」という言葉だけではない、非常に静かでかつ強い絆で結ばれていると言うことを、明日香自身は前提に置かなければならな い。
そもそも、桐島青大が御島明日香と付き合うようになったのは、彼が東京に来たからであり、何故彼が広島から上京してきたのかという大原則を省みれば、とて もではないが、第133話冒頭のように、「何故懍まで来ているのか」などと的外れで、悠長な事を言っている暇は無いはずである。

鷹岑は枝葉柚希への帰結派(「君のいる町」のそもそものコンセプトを基にすればの話である)だが、当初から指摘してきた御島明日香の恋愛愚鈍・暗愚ぶりに はほとほと困憊している。出来るならば、君町の舞台に行って、明日香に対し「青大は最初からあなたを見てはいない。そんなあなたが彼に寄せる信頼はどこか ら来ているのか」と詰問したいくらいである。
暗愚なる明日香▼恋愛暗愚な御島明日香

一般論として、恋人としての関係を維持する上では最低限の経緯を踏むべき筈だった沖縄旅行を家庭の事情を理由に反故。そのこと自体が明 日香としては青大の心の繋止を自ら破棄したようなものであると警告してきた鷹岑。また青大も前話で明日香に真っ先に電話やメールをしなかったことで、明日 香帰結への出鼻を挫かれたと指摘してきた。
さて、その明日香へのフォローから始まった第133話では、冒頭から明日香が的外れな事を言って退ける。あまりにも恋愛に対して愚鈍・暗愚ぶりには呆れを 超して笑ってしまうほどだ。

桐島青大、枝葉柚希への回帰を識る契機となり、御島明日香は掃き溜めに鶴

鷹岑家文書が行っている「君のいる町の投票アンケート」では、御島明日香が圧倒的な支持を集めている。ところが物語の現実は、下馬評通りにはなかなかいか ないようだ。
枝葉柚希への帰結に向けた重要イベントとなってしまった「広島帰郷」。この事は、成否を別として御島明日香派にとっては絶対に必要であったはずの「沖縄旅 行」が明日香自身の手によって反故にされてしまったので、まずはさらに困難度が増してしまったと言わざるを得ないだろう。
青大自身が、当初から一貫して枝葉柚希しか目に入っていないと指摘している中で、恋愛に対しドライであり、既成事実すら作れない明日香には到底、青大の心 を繋止、もしくは柚希の壁を乗り越えることなどは出来ないのである。

明日香自身が苛々するほどに恋愛暗愚な上、青大自身も本心に無意識なりに気づきながら「考えすぎ」などと言って片づけようとしていることがいかがなものな のか。これも鷹岑が青大と明日香の関係をして「サーカスの綱渡り(危険な綱渡り)」と言っているが、満更間違ってはいないのではないだろうか。
言葉を悪くし、ネガティブなことを連ねるようだが、よくネット上や、君町批判層の言葉を借りるとするならば、青大を「クズ男」、柚希を「クズ女」として、 「クズ同士がお似合い」と言うことなのであろう。
つまり、清純可憐な御島明日香は、青大にはそうそう勿体ない、掃き溜めに鶴のような存在なのである。ゆえに、明日香には誰ぞ青大の本心を伝え知らしめ、青 大から離すことが一番のいい形なのであるのではないかと、鷹岑は思うのである。青大や柚希を批判すると言うことは、結果として二人が一番似合っていると言 うことでもあるのだ。
本心の片鱗▼気にしているのは青大自身

枝葉柚希に対しては、彼の長所である至誠忠義に裏打ちされたさり気ない優しさがあり、青大にとっても気負いのない、自然体のままでいら れた。
ところが、御島明日香に対しては過分なほどの気遣い、心底に燻る柚希の影から来る無意識なる後ろめたさを覆うように接している。本来の青大の良い部分が すっかりと頽廃し、一生懸命に明日香を大事にしようとする姿がヘタレに映ってしまうのである。
柚希のことを意識しているのは愚鈍な明日香では無く青大自身であり、それは考えすぎでは無く、本心に気づくための必要なプロセスであろう。

74話振りの広島、ありのままの二人。ただし ネックレスは争点にはならない

目の肥えた読者ならば釈迦に説法かも知れないが、枝葉柚希が身につけている青大から贈られたネックレスだが、こんなアイテムひとつで柚希の思いを忖度し、 批難するほどに価値のあるものだとは、鷹岑自身は考えていない。つまり、ネックレスそのものは全く問題ではないと言うことだ。
根幹は大局的に見ても明らかであり、青大の本心と柚希の青大依存にあるのだ。君町批判層が挙って青大・柚希を「最低最悪」というレッテルを貼る素因・根幹 そのものにある。

枝葉柚希が広島の土を踏むのは、実に第59話以来の事である。

柚希自体、当時はそれまで謎の前半生(後に風間恭輔の存在があった)だったとは言え、当初から心底で結ばれていた青大と柚希の絆が、実に74話ぶりの当地 での会話となっても不思議とよそよそしさや違和感というものがない。既視感と言うには語弊があるが、見慣れた光景。突き詰めれば本来の二人ここにありとば かりに映えるのだ。
確かに第一話から始まった高校時代のような無邪気さというものは無く、そう言う意味では大人になったのかも知れないのだが、東京編である意味洗練された青 大や柚希がスタート地点に戻ってきたという視点からすれば、ターニングポイントとしては時宜を得ているとも言えよう。
柚希派としては、東京にいる時よりも親密度を上げるチャンスであるという風に捉える考え方もあながち間違ってはいないのである。
自然体▼自然体のふたりとネックレス

広島編では当たり前に交わされたと思われる会話。鷹岑が指摘しているように、基本的には枝葉柚希は青大に従順である。青大も“ツンデ レ”というには語弊があるが、柚希に対しては気負いが無く素のままに接することが出来る。柚希に対する至誠忠義と、青大に従順な柚希という両者の歯車は今 もなお合致していると言うことがこの一コマの会話だけを見てもよくわかる。
また柚希が身につけている、青大が贈ったネックレスだが、単純にこのアイテムによって柚希が青大に対する想いを……という議論は拙速であろう。根幹はネッ クレスひとつという瑣末なものではない。当初から、二人の思いは何も変わっていないのである。

青大を超さなかった風間恭輔、柚希余裕で明日香 を嘲弄す


名言蒐解

鷹嶺創書院・東院のコラムでも展開していた「名言蒐懐」を、「名言蒐解」として、鷹岑家文書でも展開したいと思います。嚆矢として、君町第133話から。

元カレよりも、いい人がいたらね――――風 間恭輔、青大に及ばざるを実証

柚希を巡ればそもそも風間恭輔は浮かばれない存在だ。中学時代からアプローチを掛けながら実際に交際したのは病気が発覚してから。その上での同情的な交際 であり、彼女自身も心底から風間恭輔を好きでいたわけでは無かった。
「本当に好きな相手ならば簡単には手を出さない」と風間は言ったが、そもそも最初から風間は柚希の本心が自らにあらずと理解していたのではないだろうかと 臆測する。
柚希がここで言う、「元カレ」は眼前の桐島青大であることは間違いが無い。確かに、風間恭輔も広義的な意味から言えば「いい人」なのかも知れないが、柚希 にとって「いい人」は、青大なのである。

「恋人にはちょっと……でも、いい人だよね」という意味での、いい人。いい人止まりのいい人。と言う意味ではない。柚希にとって、青大以上の異性はいない と言うことなのである。
よく批判層は、柚希は風間恭輔と一線を越えた尻軽女だなどと誹謗中傷しているのだが、そう言う意味では柚希は風間恭輔とは一切なにもしていないと考えるの が自然であり、また風間恭輔自身も非常に誠実な義理堅い男であったので、退場をもって敵わなかった桐島青大に一矢を報いたと見ても良いだろう。

枝葉柚希が青大に寄せる思い、「いい人」と思わせる行動は筆舌に堪えないくらいであり、この場面で彼女が言った「いい人」は、それでも青大への最大限の配 慮であることは、衆目の一致するところではないだろうか。
「元カレよりもいい人がいたら」は、柚希にとっては青大以上の男性は存在しない。そして、彼女から見れば青大が明日香と交際していると言うことそのものは さほど問題には捉えてはいないようにも思える。いずれ青大は戻ると思っての余裕か、明日香に対する嘲弄なのかは分からないが、本人がその元カレを、「友 達」として割り切ろうとしている以上、微妙な感覚で友人関係を続けていきたいと考えていることは青大自身も自覚はしているだろう。
以前にも比較したように、枝葉柚希キャラクタそのものは、メモオフの「陵いのり」であり、境遇は同「黒須カナタ」だ。

「元カレよりもいい人は、元カレ」だったのである。
元カレよりも。▼青大よりもいい人が…

「青大がいなければ何にも出来ない」。世間知らずのお嬢様風情だった連載開始当初。しかし、その反面内攻的な性格で青大の手を煩わせま いとして努力も見受けられた。
そんな柚希の懊悩をいち早く察知して救いの手を延べてきた桐島青大の行動は、そんな言葉に集約する以上に青大との強い絆を心底に育んでいるのである。
柚希にとって元カレとは青大のことであり、そんな元カレ以上の男性とは、桐島青大しかいないのだ。それが第1話から59話までの広島での彼女の生活。そし て現在も続く柚希への無意識なる配慮そのものが証明していると言えよう。

大ッ嫌い!――――浅倉清美、由良 尊と結実へ

どこで言われた法則かは分からないが、こういう作品で「大嫌い」と叫ぶことは大好きの裏返し。つまり浅倉清美と由良尊は結実が確定した瞬間であると見てよ いだろう。ただし、その法則はあくまで創作作品の世界である。現実社会は勿論あり得ないので勘違いはしないように(笑)
それにしても、由良尊というのは意外にも役得感があったキャラクタである。最終的にはツンデレ・ぱっつん・巨乳・長身・美脚というモデル型の美しい女性の 心を捉えたわけだから、本当にある意味青大を超したとも言える。由良尊はもっとも読者に近いキャラクタであると鷹岑は指摘してきたが、現実でも浅倉清美の ようなタイプの女の子がざらにいるというわけではない。
キャラクタ性として尤も近い由良尊。彼にあやかってみたいものの、現実はそうそう甘いものでは無いのかも知れない。

「嫌い嫌いも好きのうち」というのはもはや太古の昔の話だが、久しぶりに純正ツンデレキャラを見られた僥倖は瀬尾氏に感謝しよう。

由良尊と枝葉懍▼懍とデレる由良尊

小悪魔で策士と言われている枝葉懍。青大に仕掛けた囲明救柚の計は計略自体はデートが完遂したことで失敗したが、奏功はじわりと効いて きている見事なものだった。
由良尊が浅倉清美と収束されることを見越してからかっているのだが、彼女にとって本来の目的は青大と柚希の帰結である。懍の策略策士ぶりを無知とは言え安 易に乗ってしまうきっかけを自ら作ってしまっている青大や尊ら男性陣は、まさにヘタレそのものと言われても仕方が無い。