君のいる町 鷹嶺創書院オリジナルイメージソング集
秘 想~追憶の空、輪廻の絆~


  1. このまま君だけを奪い去りたい / DEEN
  2. 思い出す度 愛おしくなる / 稲垣潤一 with 辛島美登里
  3. 抱きしめたい / Mr.Children君のいる町・オリジナルイメージソング2
  4. 追憶 / 徳永英明
  5. 歓送の歌 / 小椋佳
  6. 世界中の誰よりきっと / 織田哲郎
  7. MY LOVE / DEEN
  8. 会いたい / 沢田知可子
  9. 広島の空 / さだまさし
  10. 僕のそばに / 徳永英明
  11. あなたに逢いたくて -Missing You- / 稲垣潤一 with 松浦亜弥
  12. Starting Over / DEEN
  13. One more time One more chance / 山崎まさよし


このまま君だけを奪い去りたい DEEN

第101話「一番高い場所で」を読んでいて真っ先に脳裡に流れた楽曲が これだった。この時の別離で青大と柚希は二度と逢うことがないと、ネット上では祝賀ムードよろしく話題に上がったこともあるが、青大の柚希に対する無意識 の恋慕はより強まったと見て良い。鷹岑が寄稿したAmazonカスタマレビューでの君のいる町第11巻の記述にも、この曲が似合うと記している。
因みに、新バージョンを収録し、ドラマ形式のPVの冒頭で女性が「あの時、もし私たちが別れてなかったら……一緒になってたのかな?」というセリフが、枝葉柚 希を彷彿とさせて、印象深い。


思い出す度 愛おしくなる 稲垣潤一 with 辛島美登里

青大が柚希に対する心情を照らし合わせたときに想定した、稲垣潤一・今 年早春の新曲。青大や柚希らの言動とは似つかわしくないような大人の楽曲なのだが、御島明日香と交際している青大の心情を謳ったものであるという前提。物 語上でこのまま仮に御島明日香との最終回を迎えたとするときに、大人になった青大の心情をよく示す楽曲として収録しておく。青大にとって、心を偽り続けな がら明日香と幸福を演じようとしても、まさに柚希を思い出す度に愛おしくなるだろう。

抱きしめたい Mr.Children

ミスチルの名曲なので今更曲の内容について蘊蓄を垂れるまでもないのだが、枝葉柚希との再会を果たした以降、特に第130話「前に進め」以後の青大・柚希の情景描写には適宜な楽曲のひとつであることは間違いがないだろう。
第136話「4度目は」での考察した際のイメージソングにでもしようと思ったのだが、君町におけるこの楽曲の適応許容範囲の広さは筆舌に尽きない。歌い出しの「霧雨煙る、静かな夜」というフレーズで、第136話からは除外した。

追憶 徳永英明

ナチュラルすぎるほどナチュラルな情景描写と徳永氏が製作した楽曲であ り、君町のみならず全てのジャンルに柔軟性のある名曲である。幼い頃に邂逅した青大と柚希。それから4度二人は出会い、第136話「4度目は」で、青大が それを回想する。追憶も個人的には許容範囲の広いものであり、柚希が絡む全ての青大の心情にインスパイアされている。最新の第136話ももとより、第1巻 から通して、手を繋いだり、二人で自転車に乗るなどのツーショットの場面において非常に適宜なる楽曲であろう。

歓送の歌 小椋佳

広島離郷、高校卒業など物語は急展開を続けてきたが、小椋さんの歓送の 歌は基本的に青大にとって波乱に身を投じることになる広島離郷をテーマに起用してみた。青大を東京に送り出す家族と同時に、第9巻における加賀月が、青大 に寄せる純粋な惜別の心情という意味で聴いてもいいだろう。ちなみにこの曲のタイアップは、田中芳樹氏の大作「銀河英雄伝説」のアニメ版のエンディングテーマ曲であり、歌詞の内容は小椋さんらしい非常に遠大で深みがあり、青大には勿体ないくらいであろう。

世界中の誰よりきっと 織田哲郎

織田哲郎氏版のスローバラードを採用している。「君のいる町」の中では 思惑を取り払って、青大が御島明日香に対する節義を貫徹し、枝葉柚希を心の底から完全に払拭した上で真実の恋愛関係になるという前提で考えてみた。「果て しないその笑顔」というフレーズがあるのだが、枝葉柚希が今まで見せてきた強がりの笑顔ではなく、やはり心底から青大を好きだと言う明日香が毎日見せる、 純粋な笑顔に絆されるのだろう。そう言う意味から見れば、この曲は御島明日香が青大に寄せる恋愛感情にも通じると言える。

MY LOVE DEEN

第135話「残された2人」の考察イメージソング。各話毎のイメージソ ングを考えることにした手始めの曲。よく晴れた真夏の閑雅(静かで美しい)の里というイメージに重ね、青大と柚希の自転車の場面が見開きという重要シーン にいたり、その背景を想像した訳だが、当初は来生たかお氏の「浅い夢」にしようかと非常に迷った。「浅い夢」の情景は、AIRよろしく海岸の静かな街と言 うことなので、山里の静かな晴れの日と、2人の情景のイメージとして、結果この曲に落ち着いた。

会いたい 沢田知可子

言うまでもないが、浅倉清美が風間恭輔に向ける心情のイメージソングで ある。切なさを通り越して非常に哀しい楽曲である。今でこそ清美は由良尊によって絆されつつはあるが、初登場からここまでの間で、浅倉清美と言えばこの曲 以外に似合う楽曲はないだろう。そう強く確信できるほどだ。

広島の空 さだまさし

青大のおばあちゃん世代をイメージした。太平洋戦争の惨劇を痛切に歌っ たさだまさし流のメッセージソングである。バイプレイヤーとして、個人的には密かに頑張って欲しいと思っている枝葉樹の「おばあちゃん子」に敬意を表し て、彼にはこの曲を唱ってあげればおばあちゃんもじっくり聴いてくれるのではないかという希望的観測。タイトルは広島の空だが、氏のストーリーはさださん の出身地長崎であり、広島に向けて歌うというコンセプト。

僕のそばに 徳永英明

第136話「4度目は」の考察イメージソング。柚希はどのような想いを 秘めて涙を流したのか。側にいた青大は彼女をどのように思い肩を抱いたのか。来週に向けた予想・希望的観測は多々あるのだが、柚希の一連の仕種や、哀しげ な表情を繰り返し読み進めてみると、この曲が浮かんだ。ミスチルの名曲「抱きしめたい」とも競合したが、最終的にフレーズの違いでこの曲に落ち着く。「今 頃、他の男(ヤツ)ならば……」というフレーズは、言わずもがな風間恭輔だったら・・・という意味を込めて聴いてもらいたいものである。

あなたに逢いたくて -Missing You-  稲垣潤一 with 松浦亜弥

松田聖子さんの名曲のひとつだがアルバムから稲垣潤一さんと松浦亜弥さ んのデュエット版を起用。言わずもがな、枝葉柚希の心情をインスパイアした。一般恋愛的にはマイナーな歌詞の内容であり、柚希にとってはあまりこの詞のよ うな展開にはならない方がいいとは個人的に思っているのだが、彼女の心の裡をこの楽曲に照合して見てみれば、情景などを含め、なるほど青大に対して通じる ものがあると思える。

Starting Over DEEN

青大と柚希が復縁したときに起用しようかなと思っている楽曲。動画のMADを作っていた時に、想い出にかわる君~メモリーズオフ~の黒須カナタ編のBGMとしてこの曲を使っていた。回り道をして疎遠になっていたが、もう一度この場所からやり直そうというコンセプトがある楽曲であり、個人的には現行・第136話におけるひょうたん池での復縁がなされたら使ってみたいなあと思っている。柚希は黒須カナタとも似ているので、いつか使う機会があればいいなと考えている。

One more time One more chance 山崎まさよし

今回の君のいる町オリジナルイメージソング集のラストチューン。新海誠氏の「秒速5センチメートル」というアニメ映画のラストシーンで流れるとても切ない楽曲が印象強い。
「君のいる町」では、仮に青大が柚希・明日香ともに失い、悲恋エンドという結末を迎えた場合を想定してみた。ふらついた結果の失恋と孤独。因果応報とは言うが、それを除いても明日香や柚希との交際の日々において、自戒自省の意味を持って歌うべし。