三國無双6創作小説「蜀漢残思」補足設定その5

劉 淵  ~己が器量を探究した旅路。劉禅が見出した蜀漢の後継

劉淵
真・ 三國無双には登場しませんが、司馬懿・司馬師・司馬昭が基礎を築き、司馬炎が成立させた西晋王朝を滅ぼす契機となった五胡十六国・前趙の開祖となる人物で す。劉淵が登場してしまうともはや三国志ではないのですが、蜀漢滅亡後に、魏晋に出仕していると言うことで、一応三国志の時代に生きた人物であると言えま す。

蜀漢残思では、匈奴の左賢王・劉豹の子である劉淵は、幼い頃に蔡文姫の薫陶を得て諸国見聞の旅に出ていたという設定にしています。
高句麗の首都・丸都城に滞在していた時、呼廚泉大単于の帰還命令を受けて、高句麗太王・中川王に惜しまれながらも中原に向かうことになる劉淵。
彼は今や中原は曹魏が斜陽を迎え、司馬一族による晋への天下に変わろうとする時世を、司馬一族は曹操のように一役人から国を広げてきたわけでは無く、曹操の領土を乗っ取っただけだろうと公言して憚らない。
劉淵は司馬昭が言う「自分の器量を知れ」という言葉を半ば斜に捉えていたと言えます。つまりは、司馬昭らが拘る「器量」という見方からすれば、劉淵はあらかじめ自分の器量を知ると言うよりも、目的を見定めてから自分の器量を選べるという人物なのです。

司馬昭が着々と天下を狙う中、劉淵は魏の皇帝曹奐や劉禅らと交誼を結び、簒奪の憂き目や亡国の君主となってなお晴れやかに過ごす彼らを見てとても不思議な 感覚に囚われて行くのです。匈奴の王族とは言え、一介の浪人が強大な西晋を奪う契機として、若かりしこの時期に登場させてみるというのも、一興なのかも知 れません。

ちなみに、蜀漢残思では、ちょっとですが、同じ五胡十六国のひとつ、前涼の開祖・張軌も出ています。無理矢理五胡に繋げているとは思わないで下さいね(笑)