大野版２４時間テレビ、We are the worldに通じる透徹な楽曲

東日本大震災復興支援プロジェクトCD

もう一度…ふるさとにて

評価★★★★★

マイケル・ジャクソンやライオネル・リッチー、シンディ・ローパーら世界的アーティストが結集した「We are the World」、1992年に長崎雲仙普賢岳被災の時に、さだまさし氏が同じく親交のあるアーティストを結集して作成した名曲「SMILE AGAIN」など、世界規模に一石を投じる事案や災害が起こり、そこからの再起を図る人々や、支援する人々に共通する不思議なポジティブさを表現し、アーティストが集って作品を創ることは音楽家として最大の慈善であり、またそうした全て楽曲には共通するテーマが秘められている。
陳腐な言い方ではあるが「絆」と「愛」というものであり、この「もう一度・・・ふるさとにて」の曲調をじっくりと聴いてみれば判るのだが、大野雄二氏が担当していた時代の「24時間テレビ～愛は地球を救う～」において大野氏が表現されていた「愛はマジック」、「エバーグリーンラブ」、「LOVE SAVES THE EARTH」の精神に大きく共鳴するのである。
アンディ小山氏や清心氏、村松えり子氏など、IBC・岩手放送並びに岩手県に縁故があるアーティストが結集し、チャリティ色が強く、また合唱に非常に適した音楽となっている。
震災復興への応援歌という見方を除いてみても、田舎の追憶・郷愁という色合いに溢れ、透徹な音楽と各アーティストの歌唱がこの詞曲のコンセプトに見事に融和・合致しており、先述した大野雄二氏の音楽精神に加え、「We are the world」、「SMILE AGAIN」の世界観に通じるという、全世代、ジェネレーションギャップを感じさせない、非常にスケールの大きな世界を紡ぎ出して行くのである。
個人的なお奨めだが、「We are the world」、「SMILE AGAIN」、「愛はマジック」、「エバーグリーンラブ」と共に聴いて欲しい。互いに共鳴する世界観を感じられるだろう。

東日本大震災復興支援・鷹嶺創書院勝手にベスト