(閲覧者一同に拝礼)

夏越美奈夏越 美奈東京高校編・准レギュラー)「今週もおなじみの顔でーす!」
浅倉清美浅倉 清美(東京編准レギュラー)「‥‥(・_・)(._.)」
天城紫歩天城 紫歩(七塚ヶ原SAレストラン厨房バイト)「ん? どしたん、浅倉さん」
浅倉「えーっと、あの仕切っているおっさんは‥‥」
夏越「あー、鷹岑さんは今週はおやすみです。調子が悪いって」
浅倉「あ、そう」
天城「なに? さみしいん?」
浅倉「な・わ・け・ない!!#」
夏越「ヒムロックくんたちも戻ってこないので、とりあえず私が司会進行しますーよろしくねー!」
天城「今週のゲストはいないの?」
夏越「いますよーもちろん! では、今週のゲストは、この方!」
枝葉 樹枝葉 樹(枝葉家長男・柚希の義兄)「こ、こんにちはー‥‥えーっと‥‥枝葉イツキです。いつも柚希と懍がお世話になって‥‥」
浅倉「なによ、ただのヘタレじゃない」
樹「‥‥‥」
天城「ちょっと清美ちゃん。初対面でいきなり‥‥」
浅倉「あの男に張り倒されるようじゃねー('σェ')」
樹「あのー‥‥僕はなんのために呼ばれたのかな? あはは、女の子だらけの場所って苦手でねー」
夏越「えーっと、お兄さん! では早速ですが、第162話のあらすじをザックリとおねがいします!」
樹「え? あの‥‥いきなりかい? んー‥‥それじゃあ――――

 父さんのところを飛び出して行った柚希が青大くんの家に転がり込んで、一夜を明かしたみたいだね。キスまでしておきながら何もなかったなんて。ははは、青大くんも実にアレだな。僕を殴った時の勢いで‥‥って、まぁそれはいいかな。
 僕が言うのもなんだけど、柚希のような可愛い女の子と同じ部屋で暮らせるとなると普通だったらワクワクして浮かれてしまいそうだけど、青大くんはさすがというか、彼らしい心配が先行しているみたいだね。
 二人の出会いからぽつりぽつりと家のことを話し始める柚希なんだけど、父さんのこと散々言ってたみたいだね。そうこうしているうちに、父さん、母さんつれて青大くんの家に来てしまった。何やってるんだよ、父さん。母さんまで‥‥ふぅ。

 ――――こんな感じで良いかな?

夏越「上出来です!」
浅倉「・・・・てゆうか、アナタ。あらすじ言うのもまるで他人事ね」
天城「客観的に見ていると言った方がええかもしれんね」
浅倉「紫歩さん、良く捉えすぎです。そんなキャラでしたっけ?」
天城「一応、お姉さんキャラじゃけぇね♡」
樹「家の事に関しては本当、色々あるんだよ。目を背けている訳じゃないよ。懍のことも、柚希のことも考えているんだ」
浅倉「懍ちゃんが先なのね」
樹「え・・・あの・・・」
浅倉「それで良いと思うわ」
天城「あはは・・・浅倉サンて、面白いんね」
夏越「えーっと。樹さんにはこのまま残ってもらいます。それじゃ、鷹岑さんが寄せていた考察をどうぞ!」

天城「今週も、おなじみの顔でしたー。 ‥‥で、いいんよね?」
夏越「わ、言うの忘れてた―・・・(´;ェ;`)」


青大の忠義、柚希の依存、両者の融和を阻む障壁猶高く

青大 忠心を先んじ同衾を逡巡し、柚希 父への不信断片を駁

語 られ始める、枝葉父娘の関係。逃避によって成り立つ家族関係の修復を成すか

第162話は枝葉義昭氏(便宜上、鷹岑家文書では柚希の父親を“義昭”と呼んでいます)と、柚希の関係について断片的に語られ始めている訳だが、果たして 鷹岑家文書が指摘してきた枝葉家の内実を見事外すだけの真実が見えてくるだろうかと思う。
さて、その前にせっかく同じ部屋で過ごすことが出来るようになった青大と柚希なのだが、やはり青大の方からは絶対に手を出すことは出来ず、柚希も詰めが甘 いと言えば甘い。二人の歪な形ながらも不思議に頑丈な歯車の合致は、このままだと金属疲労で破断する危険性があると言うことは以前から指摘してきた。
鷹岑は一刻も早く肉体関係を持て。そのカットが観たいという安直幼稚なことで言っている訳ではなく、二人の関係をより昇華・完成形を成すためには避けては 通れぬ事であるからだ。
前ヒロイン・御島明日香との関係では唯一、中身は希薄でも「好きだ」という言葉での直接表現があった。そこが、青大と柚希の関係にはまだない。中身はある のに、実行動・実言動がついて行っていない。残すところはここにある。
寝乱れ食らいで‥◀結実まで遥か道遠し

月窓でのキスからいよいよかと思われたが、やはり青大らしい、柚希への忠義心がそれを拒んだ。
柚希との関係を望んではいるのだが、彼の至誠忠義が絶対に自 身から手を出すことはしない、させないのである。柚希の方も詰めの甘さは今に始まったことではない。寝乱れ姿くらいで狼狽するようではまだまだであるし、 これで常に疑念がつきまとっていた柚希と風間恭輔の関係も潔白である証左のひとつになるはずである。

桐 島青大、無意識に結婚を意識か

柚希の重い足がやっと動いて同棲という形を取ることになった訳だが、なし崩し的な青大との関係構築としては、その鈍足ぶりも少しばかり度が過ぎているよう にも思える。
飛躍的な思考だが、青大は柚希との関係をさらに成熟させ、「結婚」という前作・涼風に準拠した帰結方向を目指しているという描写が、部屋の灯りが点いてい たのはいいなという言葉に、無意識に込められている。
咲香里氏の名作「春よ、来い」の終盤において、主人公の曽根タカシと、ヒロイン・白井沙恵が紆余曲折を経て、最終的に同棲することになる。それまで孤独や 数多くの物を喪ってきたタカシが感じたのは、その日、たまたま用足しをこなし帰宅が少し遅れた沙恵に先んじて帰宅。部屋の灯りが点いていないことに無性に 寂寞の感を強め、その直後に沙恵が帰ってきたことに小恥ずかしさを感じながらも、好きな相手と住むと言うことの幸福感をより一層強くさせ、実感させる一幕 だった。今回の青大の心情吐露は、まさしく形を変えたタカシの心情そのものである。
「誰でも、その人らしい場所にたどり着く」という名言を残した咲氏の同作は、曽根タカシが懐抱する結婚願望を如実に表現する場面でもあり、白井沙恵はタカ シを良く識るヒロインであったから赤紙(婚姻届)をさっさと用意し、タカシと帰結した。君のいる町の枝葉柚希は、残念だが白井沙恵のような知者では全くな い。
ただ、青大は無意識なりに柚希と落ち着きたいという想いの方が強く、前段階である柚希とのそうした関係深化を特行した感情に奔ってしまっている可能性もな きにしもあらずである。また、それが至誠忠義の良い点でもあり、悪いところでもある。
部屋の灯り部屋の灯り▶

「帰ってきて部屋の灯りが点いていることが良いと思う」。同棲経験者ならば必ずそう思う気持ちなのだが、根本的には結婚願望が燻ればこそ、こういう気持ち が素直に表現される物であろう。
ただ危難に遭遇する相手を一時的に匿う意味だけでは、少なくてもこういう気持ちは出てはこない。無意識なりに青大の心情に柚希との帰結が強い気持ちで芽生 え始めていると言うことであると考える。

広島組との関係修復は思案の外、焦眉の急は枝葉義昭氏との関係修復

フォトスタンドに飾られた写真が、ファンタジーランドでのツーショットではなく、幼少時に撮影された柚希との邂逅の写真にした意義を問えば、現在絶交状態 にある広島組の旧友・加賀月と由良尊との関係修繕の切っ掛けが全く摑めない、青大自身の葛藤も提示されていると言える。
これも鷹岑家文書で指摘した通り、青大は柚希のためだけに多くの物を犠牲にして厭わなかったのだが、さすがに柚希を得て疾駆を止めた直後に来る激烈な疲労 感は、周囲を見て荒涼とした景色だった時は寄る辺もないものだろう。
ファンタジーランドでのショットよりも、柚希との関係の嚆矢として択んだ幼少時の写真は、東京組を除いた旧友との復交を祈望した青大の秘めた想いを表して いると考えるのは、深読みという訳でもないだろう。ただし、柚希が果たして前ヒロイン・御島明日香に対する慙悸の念を懐抱しているのかと言われれば、柚希 はそういう性格でもないと言うことは周知の通りではある。

では、青大と柚希は旧友との復交を成すべきかという事になる訳だが、鷹岑個人的には必要性は感じられない。というのもこればかりは性急に事を運ばなくても 良い。
明日香との破局に向けた騒動でも述べたが、幼い頃から互いの秘部のホクロの位置まで分かる竹馬の友が、青大の柚希回帰を激しく非難し、絶交するという了見 の狭さを持ち合わせているとはやはり考えにくく、果たしてそうであったとしても、郷里が同じなので、長期休暇で帰広した際に会うことは必至なのである。そ の時に、明日香の変から冷静さを取り戻した広島組が青大と柚希をどう見るのか。成すべきところに落ち着いたか。或いは明日香になお、同情を強く寄せ続けて いるのかに懸かっている。いずれにしろ、青大や柚希の方からは広島組への接触を図る絶対的必要性はない。
幼少時・夏祭
◀幼少時・夏祭の写真

ファンタジーランドでのツーショット写真は、2枚とも柚希の手元にあり、本来晴れて日の目を見る契機にもなった。
しかし、ファンタジーランドでのツーショットは“明日香を囲んで柚希を救う”計の中でのことであり、御島明日香への負い目がある場合はそれも堂々と部屋を 飾る写真であるとは言い切れない。
柚希が敢えてそれをお蔵入りさせているのだとすれば、明日香を支持していた読者からすれば、ひとかけらの柚希なりの良識であるとみてよいだろう。

古風を装う枝葉義昭氏、しかしやることはやる(笑)

柚希が父・義昭氏との確執を端折りながらも解説をして行くのだが、さすがに「そんなに嫌なら、無理して一緒にいなくて良い」という柚希の言葉の直後に、 「ならば再婚する」と切り返す義昭氏は明らかに不自然そのものでここは次週以降に義昭氏夫妻から語られる事実を待つ以外にない。
鷹岑が以前、テレフォン人生相談調に考察した枝葉家の本質論だが、瀬尾氏が果たして枝葉家を覆う事の本質を丁寧に語ることが出来るかどうか。単に、柚希を 名古屋に連れ戻す、或いは青大に柚希を託す。或いは義昭夫人(柚希継母)の説得で学費は出すから樹・懍兄妹が住むマンションに戻るよう促す……と言っただ けの、上辺だけの流れは避けたいところである。ここは長らくヴェールに包まれてきたメインヒロイン・枝葉柚希の謎の行動の本質に関わる問題だ。懇切丁寧 に、それこそ数週を掛けても読者にダーティなイメージを持たれてしまった柚希の面目躍如を期したいところではある。まあ、期待はしていないが(笑)

それにしても、単純に柚希の父・枝葉義昭氏はやり手ではある。後妻の出自は今のところ明らかではないが、美人でありスタイルも良い。柚希の亡母も、おそら く美人であったのだから、義昭氏は面喰いのプレイボーイ(化石語)であったと言うことだ。再登場以来、何故か堅物というイメージがあるが、序盤の枝葉騒動 で数コマ出演した時は、そこまで刺立つキャラクタではなかった。性格設定が曖昧だったのだろう。
再婚する!?突飛なる再婚話▶

枝葉柚希ベースでの話で行けば、父・義昭氏は古風を装いながら、ますます突飛で婆娑羅な性格をしている人物であることが窺える。「(自分と)一緒にいるの が嫌ならば、一緒にいなくて良い」と言った直後に、「じゃあ再婚する」という言葉が飛び出る話の流れは極めて不自然で、柚希が端折っていると考えざるを得 ない。
ここが次話以降で解説されるだろうと思われる枝葉義昭氏自身からの事情説明となるのかも知れないが、鷹岑が解説したものと違う説明になるのかどうかが問わ れる。



ほげっ!! ―――― 同衾遠く、潔白を示す

服がはだけただけで悲鳴を上げて青大を打つ。青大が異様に柚希を意識し、手を出そうとしないので、柚希も結果羞恥心が先んじてしまうのである。一部ネット 上では柚希売女論が根強いが、客を殴るようでは、売女にも悖る。

ゲスな想像 ―――― 青大にとって、柚希との行為は考えられず

使いこなせず、すっかりどうでも良いキャラになった保科美友の想像を青大はばっさりと切り捨てたが、青大にとっては至誠忠義を貫くべき枝葉柚希は、まさし く“手折らざるべき珠玉の花”と言っても過言ではない存在意義であり、彼からは決して柚希には手を出さないという、鷹岑家文書が指摘し続けてきたことを裏 付ける言葉でもある。

なにそれ ―――― 枝葉柚希、青大の深層心理を軽くスルーする

「電気が点いているのはやっぱり良いな」と言った青大の言葉を軽く流した柚希だが、その言葉の持つ意味というものを咀嚼するのは大人の恋愛であるのだが
それをせずに軽く流すと言うことにある意味、柚希らしさというものが見て取れる。深読みと言われそうだが、突き詰めれば、青大は法的な意味でも柚希との偕 老同穴を目指していると考えても不思議ではない。

こんばんは ―――― 瀬尾流、相も変わらず湯水のような金銭浪費

枝葉義昭氏夫妻が深夜の来訪。瀬尾公治さんは余程、深夜の来客が好きなのかどうかは別として、物語とは言え、瀬尾氏作品の金銭感覚は実に破天荒である。
隣の家、隣町に行くように遠距離を往復するのは一般論としてみてはいけないという法則すら窺えるようだ。一度、160話超時点で、青大や枝葉家など、総キャラが移動手段に使った「交通費だけでも」合算してみる必要があるかも知れない。