非露出の最後のキャラクタ、遂に裸となる

全女性キャラ、終に裸を晒し良心瓦解

枝葉柚希との喧嘩は詮無き仕儀


紫歩の着替えの場にいた青大に、兄から聞いていた青大像を重ねて誤解す る真菜。そこで料理人の道を目指すことを聞いた真菜は、旨くてリーズナブルの店があると紹介し青大の歓心を買う。一方、旅行への想いに紅葉する柚希は翌日 の青大の休みに買い物に付き合って欲しいと言い、遙人も了承する。だが直後に真菜から翌日フレンチの講師の勉強会があると電話を受けた青大は、思わずこれ にも了承の返事をしてしまう。側で聞いていた柚希は激怒、買い物にも旅行にも行かないと叫び、家を飛び出してしまう。

天城紫歩、予定通りの裸露出

こういう状況で天城紫歩が再登場してきた昨今、内心は予想していた通りにとうとう彼女までが裸(下着以下)を晒してしまった。これで、名実ともに君のいる 町の主要全女性キャラが裸を見せたと言うことになり、鷹岑が定義していた、最後の『良心』が、事実上崩壊したと言うことになる。天城紫歩
ビジュアル面に拘るという意味でもないのだが、当文書でも指摘しているように、天城紫歩は「君のいる町」の中では唯一露出度の少ないキャラとしての存在感 があり、好感が持てた。
鷹岑は別に紫歩が脱いだと言うことに失望しているとか言うのではない。逆に「やっと脱いだか」などと喜んでいるというわけでもない。
かく言う意味でまあ、瀬尾氏のことだからいずれ絶対に紫歩も脱がすんだろうなとは思っていたのだが、そのタイミングは他例に漏れず性急であった。

さて、鷹岑的に一番問題にしているのは、ならば紫歩が裸になった場面は果たして物語的に意味があるのかどうかである。
常識的に考えて21歳の大人の女性が、一つ二つ下の健康的な男性の前で堂々と着替えられるかどうか。また、青大を男として見ていないとは言うが、彼の前で 服を脱いで憚らない程青大の性格や考え方を熟知する程付き合いがあるのかということ。そして、何より肝心なのは、青大の目の前で脱ぐという行動が、物語的 にどういう影響があるかなのである。
百数十話も掛け、折角の初期設定キャラにまでサービスカットを強いたのだから、本来意味がなければならない。

まあ、紛いなりにも二十歳そこそこの大学生を捕まえて「男とは思ってない」から眼前で着替える。とは、血の繋がった姉弟でもなかなかなものであるのに、ま してやこれはどうであろう。青大をどう見ているか以前の話で、実に不自然な感じを受ける。
考えられるのは、紫歩もその他の女性キャラクタ同様、青大に想いを寄せている。という考え方に至ると言うことなのであるが、流れからしてどうもそう言う空 気のようでもない。
何とも思っていない男性のことを「男だとは思っていない」として恥じらいもなく裸になるというのは些か設定としても矛盾がある。
折角の既存キャラ天城紫歩も随分スカスカとした設定にさせられたものだなという印象があり非常に残念で仕方がない。

そういう意味からして、今ここで紫歩の裸を晒す重要性は全くなく、単純に「紫歩はまだ脱いでいなかったから脱がした方がいい」程度の認識が編集側に存在 し、瀬尾氏もそれに乗っただけの話だろう。鷹岑が憂慮する程、ストーリー的な戦略性はない。まあ、そんなことは今更な話ではあるのだが(笑)

青大の夢傾倒へ特異な存在感を示す水本真菜

水本真菜は誕生の経緯が思惑深いものであるため、その他の既成キャラとは違って存在感の発揮に躍起とならざるを得ない。
グ・ラ・メ青大の目下の目標とする『料理』への水先案内人のような立ち位置として存在させるのだろうか。まあ、青大と柚希の 仲は壊れるということはなく、かつこの物語上で存在感を出せる役目と言えば、青大が目指す将来へ係わる立ち位置くらいしかないのだが、ラブコメとしては既 に終結しているので恋愛的な意味で青大と柚希の間に化学変化を齎すほどのキャラクタにはならないし、またなれないだろう。
瀬尾公治氏の取材力▶

瀬尾氏の凄いと思うのは、その綿密とした取材等による情報収集であろう。自身が取材したネタを、幅広く背景描写やセリフに表現できる作家というのも実はあまり多くはない。これで人物相関やストーリーに潔さがあれば完全なのだが。

たまには柚希批判でもしてみよう

柚希との喧嘩が描かれた今回の話だが、実に詮無き仕儀である。「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」とは良く言うのだが、今回の枝葉柚希について、読者の多くは「やっぱこいつウゼぇ」と思った人も少なくはないのではないか。
青大の料理人への夢を応援しながら、目先の旅行に拘り、「料理の話ばかりじゃつまらない、旅行の話がしたい」などと、青大の話に水をさす。わがまま柚希
真菜が話題の俎上に上がるのを快しと思わないのかも知れないが、随分と余裕のないイメージではある。

枝葉懍の必勝計に相乗し、御島明日香を心的に虐殺し青大との至高の略奪愛を達成させた枝葉柚希らしからぬ詮無き嫉妬。
宮永知沙という少女に対し、圧力的に「青大を愛している」と言ってのけた柚希がまた、旧態とした青大依存に舞い戻っている。
こうした柚希の嫉妬を、単純に読めば「柚希かわいい」と思う読者もいるだろうが、実際に考えればずいぶんとうざったい女ではないだろうか。真菜からの電話
そもそも、今回提起された旅行は青大と柚希がなし崩しに進めてきたわけではなく、保科美友の突発的な提案であり、その延長線上であるとは言え青大のバイト先の話に絡めて大喧嘩をする程の根本的な問題に欠けている。
つまり、ここまでの障害を乗り越えてきて青大との絶対的な恋愛関係を作ってきた柚希がキレる起因を見るに、「料理の話じゃなくて旅行の話」ということ自体が非常に軽すぎると言うことなのである。

▼青大の軽佻浮薄

青大の優しさが仇になった。と一言で言うまででもない。実に詮無き喧嘩なのだが、青大も恋人の目の前で何時ぞやに知り合ったバイト先の美少女とアドレスを 交換し嬉嬉として電話を交わすというのもやはり無神経というよりも少し柚希との絆の強さに驕りがあったのだと言える部分もある。
人の誘いを基本的に断らないという青大の長所は柚希も認めているところなんだろうが、度が過ぎると、軽佻浮薄となる。
美友を伴う沖縄旅行に対してさほど思い入れがないので口が滑ったのか。

それにしても、保科美友との3Pという、常人の域を遙かに凌駕した乱交妄想は何だかんだと思案の内に入っていた柚希が、電話での会話程度でキレるというのも、実に難しい性格なのであろうな。

雨降って地盤崩壊

ブチ切れ柚希性格にも依るのだが、人はキレるにはそれなりの根拠と鬱憤が積み上げられなければならないものである。
今回の柚希のブチ切れが、果たして会話の不満だけなのか、真菜との電話への嫉妬だけなのか。憶測は出来るのだが、瀬尾氏の放つ結論はその域にも及ばないので、最近訥々と述べるのも億劫である。

まあ、先ほども言ったが今回の旅行は青大にしても柚希にしても前から計画をしてきたわけではなく、突然降ってわいた保科美友との三人旅行という異常事態なので、青大と喧嘩する程の想い入れがあるというのならば理解はしにくい。
穿った見方で、何もしない青大への不満というのならば、また青大の理解を得るのに苦労するだろう。単純な嫉妬で、懍からも呆れられる程度ならば歯牙にもかけない。仲が崩れる切っ掛けにも全くならない。瀬尾氏の駄話はまだまだ続きそうである。

第192話 名言蒐懷

男みたいなコト言うて(天城紫歩)

少なくても21歳の女性が、二十歳前後の男の前で、お前を男だとは思っていないと言いながら、いきなり服を脱ぐなんてことは殆ど無いでしょう。

※出して下さい!お願いします!!(扉絵あおり)

何を今更。編集は読者を馬鹿にしているのか。

有り得ませんよね(水本真菜)

断言できる程、真菜は青大のことを知っているのだろうか。だとするならば大したものである。

料理人 目指してたりします?(水本真菜)

先には青大の性格を断言しておきながら、青大の夢を初耳とは、これいかん?

旅行の話がしたいの!!(枝葉柚希)

二人きりの婚前旅行でもないのに、何をそんなに張り切っているのだろうか。

ヒマやし(桐島青大)

青大を擁護するつもりではないが、大した思い入れのないイベントを前提に考えていれば、そこに付随することも、本人にとっては大したものではないのである。咄嗟に「暇だ」と答えた青大の気持ちも鷹岑は理解できる。

行かない!!(枝葉柚希)

柚希初のブチ切れ。「そうか!分かった!!」として旅行は無かったことに・・・と言う風にはならないんだろうね。
最近、ラストのあおりフォントがふざけているので逆に苛立つが(笑)