タカミネコウのTOD的こころ~特集・同級生シリーズ第4回「田中美沙」

田中美沙
田中 美沙


 史上最強のツンデレキャラ太祖
  続編に異例出演、今猶伝説に燦然とす


年齢:18歳 / 身長:158cm / スリーサイズ:B:79/W:55/H:80

廃れぬ人気と基本に息衝く田中美沙スピリット

鷹岑は正直、オリジナル版当時は田中美沙に対して思い入れというのは殆ど無く、一般的に彼女がなぜそこまで人気があるのかと言う事が、正直理解出来なかったことを忘れない。
ツンデレという用語が無かった時代だが、鷹岑は持論として現実に「ツンデレ」は絶対に存在しない。ということを自信を以て主張出来る論拠として、田中美沙というキャラクタが無意識の中にあったと言っても良いだろう。
本編はそれほどまでにこの田中美沙という少女の言動が苛烈で、そこまで主人公と対立を田中美沙している人間が、果たしてまともな恋愛関係を構築するまでに至れるかどうかが、常に懐疑的であったと考えるのである。

田中美沙は傍目から見ても苛烈という言葉では収まらないほどに主人公・卓朗に対して罵詈雑言の嵐を浴びせる訳で、時代の変化がそう思わせているのかも知れないが、現代の価値観では彼女のようなタイプはビッチとして扱われるようだ。
まあ、確かに愛情の裏返しという意味を考えれば美沙の乱暴な卓朗への仕打ちもツンデレの原理だとみて吝かではないのだが、物語の終始を抜きに考えてみれば、随分と過酷な関係である。
美沙との恋愛関係の成否も覚束ない中で、顔を見れば突っかかり、罵詈雑言。卓朗が寛容な心の持ち主であろうが無かろうが、正直こんな毎日であれば心が折れてしまうだろう。

当・鷹岑家文書の記事検索で田中美沙と打ち込めば発見出来るのだが、鷹岑は以前、田中美沙を引き合いにして、漫画家・瀬尾公治氏の手による週刊少年マガジンの話題作・涼風のヒロイン、朝比奈涼風の話題を展開していた。
涼風と比べれば田中美沙は些か子供のように感じる訳だが、主人公に対する痛烈無比な対応は大体同じ感じである。こちらの方も、涼風の心の帰趨が分からないままに賭けにも似た想いを、主人公である秋月大和は向けていた。

ツンデレのハイリスクハイリターン

ツンデレ萌えとは簡単に言うが、分岐によって結果が分かっている恋愛物語のヒロインの一人として見ている訳であるから、どんなにつんけんとされても、口汚 く罵られようとも、それもまたひとつの魅力だと受け止められるのだが、もしも現実社会で、そんな恋愛物語ではない社会に身を置きながら、女の子からつんけ んとされ、罵詈雑言を浴びせられ続けて、果たして精神が保つ男は余程でなければおるまい。
怪我で急接近ツ ンデレという分野のパイオニアとして位置されるところを別にして、個別のストーリーを繙けば、田中美沙は卓朗への想いをずっと抱きながら、親友とされる鈴 木美穂が同じく卓朗への想いを抱いていることを知りながら、結果として美穂から卓朗を奪う形でのストーリー展開を呈している。ここだけを見れば、美沙が ビッチと呼ばれる所以も理解が出来る訳だが、全ては主人公・卓朗の選択によるものだから、本来美沙が攻難される謂れというものではない。
ツンデレの素顔、というテーマでは無いにしても、美沙が幼子のように、好きな相手にはつい突っかかってしまうと言った純粋さが卓朗の忍耐強さと優しさが相乗し、親友から嫌悪されてもなお卓朗への想いを貫いたというストーリーが支持されているとも言える。

結局、ツンデレはかように人を罵ったり心ない態度をして接することから始まる訳だから、心証というのは本来良くないものである。
声優の釘宮理恵君が良く演じるツンデレ系のキャラクタよろしく、絶妙なタイミングで主人公に「デレる」タイプはそうしたギャップに心惹かれてゆくのだろう が、田中美沙のように、事に及ぶところに至るまでずっと心折れてしまいそうな態度を取られ続け、そのツケのように思いを果たせば途端にベッタリとなるとい うのも、インパクト自体はあるが疲れも相当だろう。

Windows用の改訂版の同作ではエンディングが変わり、「同級生2」への布石として卓朗との別離を匂わせる終結となっている。OVA版での同級生2・田中美沙編では、そこから再び卓朗へ回帰するという救済策を以て、数奇な恋愛譚を締めくくった。
今も猶、ツンデレの伝説的な存在として高い人気を維持している美沙だが、当時からなかなかクセのあるキャラクタとして扱いに苦慮しているというのが窺えるのである。