忘れ得ぬ「愉快にオンステージ」のマイナーな名曲たち
White Moon(Hi-Fi Set)Ⓒ1990
White Moon1:ムーンハイウェイ
2:Angels Fly~天使の季節~
3:永遠のSunny Days
4:Shall We Dance Again?~恋する80's~
5:今夜だけの恋人
6:モーニング・フライト
7:blue Lagoon
8:Shoot The Moon
9:GLORIA~真夏のレクイエム~
10:明日への贈り物

▼NHK伝説の名歌番組「愉快にオンステージ」を懐古したひとつ

堺正章・西田敏行・武田鉄矢・さだまさし・南こうせつ。今からすれば錚々たるメンバーが、毎週輪番でホストを務め、コミカルなトークやコントを交えたNHK伝説の歌番組・愉快にオンステージのことを、鷹岑は今なお鮮明に記憶に残っている。
当時は高校時代だった鷹岑が、いま流行の若者曲に傾倒せず、堅実路線の歌い手をゲストに招いて展開していたこの番組を毎週のように観ていたのは、さすが物心がついて最初に覚えた歌が、海援隊の「贈る言葉」だったという変人ならではである。

愉快にオンステージで鷹岑が良いなと思った曲は数多くあるが、特に「Hi-Fi Set」がゲストに来た際に歌われた、「ムーンハイウェイ」は、これまた忘れ得ぬ名曲だった。
ハイ・ファイ・セットと言えば、「フィーリング」、「卒業写真」、「冷たい雨」などが一般的なヒット曲であるとされているのだが、鷹岑がハイ・ファイ・セットを知ったのは、この愉快にオンステージからであるので、必然的に「ムーンハイウェイ」からである。

オンエア後にレンタルショップからCDを借りてきた手前、アルバム「White Moon」は鷹岑にとってのハイ・ファイ・セットの原点であり、高を括ってCDを買わなかったことが今の今まで悔やまれることになった。

ジャズとポップス、そして都会的なバラードと言えばバブル期の昭和から平成初期の色合いが強いナンバーなのだが、懐メロと言うには今なお遜色がない。

●メインヴォーカル・山本潤子さん

山本潤子さんと言えば、「翼をください」という曲が有名である。今も学校の音楽教科書に載っており、合唱曲のひとつとして若い人も知らない人はおそらくいないだろう。
ハイファイセットのヴォーカル・山本さんはこの「翼をください」のオリジナルを歌われた名手である。

鷹岑が特に気に入っている曲は、トラック1の「ムーンハイウェイ」と、トラック2の「Angels Fly~天使の季節~」である。ほぼ、この二曲を手にするためだけに、中古サイトを巡りに巡ったと言って過言ではない程である。
後者は日立のエアコン「白くまくん」のCFソングとしてタイアップされたこともあり、鷹岑世代以上ならば、一度は聴いたことがあるかも知れない。

このアルバムのコンセプトはドライブに合う曲。をイメージしていたのかも知れない。ムーンハイウェイは、そのジャズポップスの軽快なノリに、文字通り聞き手を空に旅出させ、大きな満月に向かって走ってゆくような高揚感を与える。
Angels Flyは、鷹岑が小説のイメージソングにも起用したい、優しさに包まれたラブソングである。
今でこそ衰退してしまった邦楽の世界だが、80年代90年代は、全盛期と言われていたように、言葉に違わず綺羅星のようなメンバーがテレビ番組を席巻していた。
鷹岑がハイファイセットを知り、またこのアルバムを長年探し求めていたのは、NHKのいち歌番組のためである。特にファンでも無かったのに、ずっと心に残っていたのだ。

今から思えば、このように心に残る曲というものが当時はあったのだ。
鷹岑は念願のCD音源を入手出来て満足である。大事に、聴いてゆこうと思う。