晶と訣別し退路を断つ聖志と雪の見出す昏迷脱却
突出する聖志の選択と収斂への厳しい道
~雪の重荷になり得る、聖志の決断

▼聖志と晶の蜜月が終焉を迎え、夏休みの合宿。氷室結仁の思惑をよそに肝試しが始まる。雪を置いたまま逃走するユート。お化け役の聖志が雪と行動を共にすることになる。その途次、雪は何故聖志が晶と別れたのか、そして透流との馴れ初めを訥々と語る。

一服の清涼剤・氷室結仁

GEにはブレイクタイム的なキャラクタに事欠かない。一服の清涼剤の存在は読者に安定感をもたらし、またほどよい緊張感の解放にもなる。
雪を狙う氷室結仁は、そういう意味において物語の水先人的な立場にある訳だが、ほどよいテイストで聖志と雪の関係を取り持っていると言えるだろう。
氷室結仁
本編は流石氏が告知していたように、巻頭カラーと2話連続掲載といういわゆるGE祭典。聖志と晶の破局後を起点に、聖志・雪の収斂が成されるかどうかを焦点に置いている。
注目するべきは、雪の答え、決断を前にし、聖志が自らの心裡に従って晶との訣別を告げた事による影響である。
基本的にはこの場でも述べているように、聖志の決断や晶の処遇云々に拘わらず雪は自らの本意に向き合うべきであるのだが、多少なりとも雪の決断に影響が出るというのは避けられないだろう。聖志の告知はそういう意味で勇み足の様相も呈していると言えなくもない。

俺がしたいようにしただけなんだから‥~雪にとっての牆壁か、渡りに船か

雪への想いが再燃し、晶との苟且の関係を終了させた聖志の決断は、彼を取り巻く環境にとって必ずしも正しいことであったかどうかは聖志の決意判断が分かれることである。
客観視すると言う意味で個人的には晶との別離は避けられない事であったのだが、時宜として見た場合、デメリットの方が多ければあまり良いこととは言えない。
雪の性格を考えれば、晶との別離は様々な素因を含めて責任感を懐き、むしろ逆に聖志収斂への妨げになる可能性も高い。
まあ、いかに鷹岑が雪は聖志と晶の事に関してドライに捉えるべきだと言っても、そこまで割り切れるようなものでもない。言えることは、雪が今後下す自らの決断に置いて、聖志に対してシンパシーを持ったものであってはならない、ということをただ助言するのみである。
GEに限らず、全ての恋愛に言えることだが、一時の感情を深いものだと思ってはならないということ。一時の想いは必ず冷める。冷めた時に相手をどう思っているのかが見えてくるものである。