テレビアニメシリーズ化・君のいる町短評その1
今は昔、ラブコメ時代の君のいる町を主体にした痛切恋愛 譚、開幕
~至誠忠義の烈士・桐島青大、満を持して上京す


あまり気は進まないが、TVA版「君のいる町」の感想記事も挙げて行きたいと思います。鷹岑のメインはあくまで本誌本編なので、遣っ付け仕事で書きますの でそこんところご了承下さい。

●エンディングテーマ作詞に山田ひろし氏という豪華さ

いきなりエンディングテーマ曲に話題を移すのも飛躍しているが、エンディングスタッフクレジットを眺めていて、ED曲の作詞に山田ひろし氏の名前が映った 瞬間に、思わず「おお!」と唸った。
君のいる町ED山田ひろし氏と言えば鷹岑の指標的アーティスト・徳永英明の楽曲の多くを作詞しているベテラン作詞家で、「永遠の 果てに」や「君をつれて」(いずれも2003年の拙作「テイルズ・オブ・シンフォニア」の創作小説“キミとともに~愛のかたち~”イメージソングとして起 用)を初めとした徳永流名バラードの作詞を担当、アルバム「Nostalgia」以来の長い交流を重ねている方であるとされる。
山田ひろし氏や並河祥太氏など、80~90年代のヒットメーカーの一翼を担ってきた作詞家先生がいわゆるアニソンを手掛けている事は有名だが、やはり大人 の歌謡曲も手掛けている作詞家の詞はひと味違うと言えるだろう。
アニメの本編を抜きにして、鷹岑的には「永遠の果てにの作詞・山田氏」と言うだけで、星評価を5としたいくらいである。

至 誠忠義公・桐島青大、酸橘を求めて東遷す
桐島青大◀桐島青大(TVA版)

「君のいる町」が実質ラブコメディとして機能していた東京編(風間・御島編)において、一貫として枝葉柚希ひと筋に上京をしてきた至誠忠義の化身である。
一般的に「君のいる町」を非常に高く評価してきた鷹岑の最大の原動力は、風間恭輔・御島明日香と絡ませ、神咲七海や加賀月と言ったいわゆる広島組も巻き込 んだ幅や奥行きのある人物相関図に期待を寄せていたからである。
TVAでこの初期東京編から柚希帰結までをテーマにしたのは、そうしたラブコメディとして生きていたという鷹岑の主張を裏付けるものであると確信してい る。声優はOAD版に続いて細谷佳正君。
テレビアニメ・君のいる町だが、本編について鷹岑の総合的評価は、星勘定で★★★★と 言ったところである。本誌連載の考察感想とえろう違うではないかと思わないで欲しい。
鷹岑は元々、君のいる町については高く評価をしているのであって、漫画連載や単行本について批判をしたことなどは一度もない。
御島明日香@TVA
アニメ第1話は、鷹岑がAmazonカスタマレビュー等で散々に叩かれていた時代から少し遡った、単行本第9集・第80話を基点にスタートするのである が、言うまでもなく、「君のいる町」がラブコメとしてガチに機能していた秀逸な舞台を疾駆する至誠忠義の烈士・桐島青大を描く。
東京編に移行したラブコメ時代の君町が、渠魁・枝葉柚希に唯一対抗し得たメインヒロイン格としてその存在感を大いに発揮した御島明日香の単行本第9集・第80話より鮮烈なるデビューが今も生々しく記憶に刻まれた単行本第9集・第80話。
現行二百数十話の本編「君のいる町」において、それまでの途中登場のキャラクタの中で、唯一意味のあるキャラとも言える御島明日香は、アニメ版として描か れてもやはりその魅力は廃れることはないようだ。

心を鬼 にして明日香を詰る

山内監督や吉田玲子氏の脚本の展開次第にも依るが、御島明日香は最後は青大・柚希(青柚)によって精神的に惨殺されてしまうわけだが、鷹岑は君町のキャラ クタの中で、御島明日香が一番心惹かれるとした上で、明日香が青大の心底に貪欲に食い込もうとしなかった事をずっと考察上、批判をし続けてきた。当ブログ が散々に誹謗中傷の的とされてきたわけだが、それでも既定路線とは言うものの、明日香が青柚に惨殺された場面は血涙を流す思いで、それでも最後まで明日香 の行動を批判してこられたのである。

今アニメではさて、そうした「報われない」明日香が出番の少ない、或いはけんもほろろな態度を晒し続ける渠魁・枝葉柚希に対してどれほどの存在感を放ちな がら「ラブコメディ」である君のいる町を積み重ねて行くのか、原作では決して表現されることのなかった心理描写を、オリジナリティで描いて欲しいものであ る。
さすがに、アニメ版においても、一番好きなキャラクタを、原作通りに批難はしたくない。希望的観測で、原作をねじ曲げて御島明日香と結ばれることが出来れ ば、原作批判の読者諸卿や、アニメ視聴者の溜飲も下がるというものであろう。
御島明日香@TVA◀御島明日香(テレビアニメ版)

「君のいる町」がラブコメディとして完全に機能していた時のメインヒロイン格。フェイドアウトした神咲七海の後釜としては怖いくらいに型にはまった人気 キャラクタである。フルフェースに金属バッドで青大を殴殺せんばかりの衝撃的初登場で、後に一目惚れだった、というけったいな設定だったが、枝葉柚希に対 抗しうるヒロインとして確実に活きていたキャラであったことは間違いがない。アニメ版において、出身地が「福島県いわき市」と詳細地名が設定された。原作 者・瀬尾氏の親類縁者が在住しているとされる。声優は佐倉綾音君。鷹岑のイメージとしては、「会長はメイド様!」などで主役を演じた藤村歩君を想定してい た。
東京編の事実上の主役・風間恭輔
風間恭輔@TVA
鷹岑家文書の君町考察の開始は第120話からであるので、風間恭輔の退場である第100話時点では考察記事を書いていない。
だが、東京編において隠然たる存在感を放ち続けていた風間恭輔は、否応にもアニメ版の最大の核であることは改めて鷹岑が言う迄も無い。
第一話時点では原作に則った登場・展開を用いているので、主にキャラクタ紹介的なイメージがあったわけだが、アニメ版においては彼をどういう立ち位置で扱 うことが出来るのか、柚希との関係はどうであったのか。原作では大半の読者の意見や憶測としてあった、「柚希と性的関係があったのかどうか」に言及される ことによってまた、話題性があると言えるだろう。

いずれにしろ、風間恭輔の存在が、ヒロイン枝葉柚希、御島明日香、浅倉清美、そして広島組との相関関係を厚みのあるものにしていたので、ヒロイン達の容姿 に見惚れているだけじゃなくきちんと風間の存在感にも刮目してみていると良いと思うのである。
風間恭輔@TVA◀風間恭輔(テレビアニメ版)

東京編で登場した柚希を廻る青大の親友且つライバル的存在。本来ならば彼を物語のキーしてあって、御島明日香や浅倉清美、広島組らを巻き込んだ本格的な恋 愛ドラマへの期待をも持てたのだが、原作通り第100話にて突然の退場。漫画の手法的には非常にインパクトのある大鉈を揮った英断であったのだが、瀬尾氏 の技量からして荷が勝ちすぎていたようで、現在ではその退場が完全に無為になってしまっている。
原作改変という事にはならないだろうが、敢えて退場の場面を好転させて、表舞台で青大と柚希を牽制しながら、御島明日香のハッピーエンドを目指すという、 二次創作的な超展開に期待を寄せる想いもある。
声優はみなみけシリーズで報われない変人・保坂で有名な「小野大輔」、今回も報われない役か。鷹岑的にはどちらかというとチャラ男っぽい印象で、岸尾だい すけさんをイメージしていた。
モブ化から昇格・夏越美奈
夏越美奈@TVA
矢作紗友里君演じる夏越美奈については、本編の通りモブキャラからの昇格組であり、アニメ版ではそれなりに個性的に描かれているようである。
彼女については原作のようにボケキャラ・天然脱ぎキャラになる危険性の方が高いのだが、本編に深く係わってくるキャラクタではないのでせめて無難な立ち位 置で東京高校編の夏越美奈のままであっていて欲しいと考えている。
彼女のキャラクタとしての設定は、以前鷹岑家文書の考察でも挙げたことがあるように、君町キャラの中では尤も現実に近い立ち位置にある。原作では保科美友 やら何やらと無為にキャラクタを生み出さず、彼女を大事に扱ってさえいれば、神咲七海に次ぐ存在感を発揮できたであろう。
まあ、アニメでどういう立場で描かれるか、これからが見所ではあるが。

お約束のサービスシーン

明日香パンチラシーンエロ目線で見た場合、鷹岑としては御島明日香は十分にエロい身体をしていると思うのだが、アニメ第1話では、早速単 行本第9集・第83話「田舎モンの食卓」が採用されている。昨今の露骨で無駄極まりない裸の場面の連続に較べれば実に健康的なエロさがあった、それほど貴 重なサービスシーンであると言うことが窺えるのである。
第1話は明日香がコンプレックスを懐いていると言うほどではない、スレンダーで美乳(微乳)、健康的な太腿が強調されている。その上にがさつで男勝り、黒 髪癖っ毛ショートという、このような絵に描いたような(描いているじゃないかという突っ込みはナシで)美少女が傍にいて健気に青大を想い慕うという役得が ありながら、彼女に(心から)目もくれず、柚希に回帰するのだから、そりゃあ青大も実に酷い野郎である。
メインヒロインの出番が殆ど無いという異色のラブコメ。見れば益々、御島明日香に対する残念が蘇ってきそうな感じではあるが、柚希ではない、明日香のこう した爽やかなサービスシーンに期待を寄せながら、生温かい目で観るというのも一つの楽しみであるかも知れない。
枝葉懍@TVA◀枝葉懍(テレビアニメ版)

彼女は青大が柚希に回帰する端緒となる「明日香を囲んで柚希を救う(囲明救柚)」の大計を発動するという重要な役割がある。アニメ版ではクラスチェンジ後 の容姿として登場しているが、中学生時代は悠木碧君が演じ、今回は初音ミクの藤田咲君がその大役を担う。
青大を密かに慕っているという設定が活かされ、お約束通りに彼女にも複数のサービスシーンはあるようだが、本編上を想定すればあまり大したことはなさそう である。
枝葉懍が策士から脱却し、青大に恋する乙女に昇華するのは、君町がラブコメとして終了した直後からと言うのが皮肉な運命の巡り合わせだと言えるだろう。
桐島葵@TVA桐島葵(テレビアニメ版)▶

こ のアニメを観た瞬間に、鷹岑がそこはかとなくエロアニメチックだというイメージを持った桐島葵。よくよく思い出せば、何時ぞやに観たことがある成年漫画 家・みやびつづる氏著「艶母」のOVA版主人公「美佐子」に一瞬重なったからである。なるほど、同居している姉弟、ワンピース一枚でうろうろする姿、大人 の色気。なるほど、一歩踏み込めば紛れもない成年向きアニメじゃねえか。とは言わんばかりに葵姉さんもやはり本編にはあまり関与しない。声優は文字通り大 人の色気を振り翳し、「声優界の壇蜜」と言われているかどうかは知らんが、たかはし智秋君が担当している。正にそのまんまと言った様相だ。