将也、バツ印撲滅へのアイドリング

将硝両母、常闇を越えて清晨宥和へ、大団円へ最後のイグニッション

~柵を超越したバツ印無き世界。旁らに硝子ありて目指す、理想への始まり

■将也が目覚めた。夢では無いかと思う母に現実を伝える将也。意識を失っていた間の概要を硝子から聞く。生きることを改めて固く決意した将也、その心に少 しの戸惑いが残る。そして石田家。将也の回復を祝うために西宮家の面々が集う。贖罪に拘るママ宮とそんなのは不要と言う将也母。大人の事情で将也や硝子ら に席を外させる。硝子への想いがやはり不器用なままの将也。帰宅し、酩酊の両母が心打ち解けている様子に、将也もいつか硝子とそうなりたいと思う。

総合評価★★★★★

プチ浦島状態の将也、再起への一歩硝子の手を携え

石田家死の淵から生還した将也が自宅に帰還すると、快癒祝いとばかりに西宮姉妹が中心となって将也を歓待する勢い。かくいう鷹岑個人的な人気だが将硝両母が揃い踏みと言う事もあって、ある種のサービス回であったと言って過言ではないだろう。
将也が三途の渡り賃の不足に藻掻いていた頃、硝子を基軸にそれぞれのモノローグを経てきたが、人間早々変わるものではないと言うことを如実に示していると 言う事もあって、将也帰還の皆の表情は以前とあまり変化を見られない。勿論、それは悪いことではなく、そう言う描き方こそが真っ当自然である事には違いが 無い。

●変わること、決意すること

今回の将也や、ともすれば聲の形そのものの石田将也の決意決断に言えることなのだが、人が変わることはいったい何なのかってことを時々思い知らされる。
心の変化がこの作品の直接的なバリューであるという風には考えにくいのだが、将也から竹内教諭までの限られたキャラクタによって示された心情変移は、確か に将硝という主役二人の存在によって生々しさが示されてはいるわけだが、誰もその心根や考え方に劇的な変化があった、とは言えないし、またあるというのも 不自然な話ではあろう。

ここまで来て未だ尽きない将也を基軸としたラブコメ観点から捉えた場合、必然的に硝子や植野直花が俎上に挙げられるのだが、端的に誰が良いとか悪いとかと言う話は、為にする論議であって鷹岑個人としては正直、詮ない話だと思っている。
最終盤に至ってバックグラウンドがあまり変化がないというのは、聲の形の基本理念からすれば実は的を射た展開であったりすると思うのである。ただ、鷹岑は ここ最近何度も指摘しているのだが、そうした背景と実際のステージにそこはかとない齟齬を来しているかのような、得も言われぬ違和感があるように思えてな らないのである。
慚愧
「将硝帰結」という言葉に結局は行き着くことになるのかも知れないが、そういう意味においても、聲の形は落ち着くところに落ち着いたのかという見方も否定出来ない。
まあ、最終回にも近くなって、鷹岑が提唱したように、主人公将也が急逝するなどと言った事態を描いたとするならば、言い出しっぺの鷹岑がこれを言うのも無責任だが、実に非道い展開である、と思ってしまうのである。
まあ、非恋愛を描くとするならば結局はそうした人間関係の左右が中心となる訳であるが、どういう形がベストなものなのかは今に限らず、非常に難しい問題ではある。

将硝両母、少女のようにはしゃぐ

将硝両母石田・西宮の両母が久しぶりに重要な立ち位置として絡みがあるという意味で、両母に思いを馳せる鷹岑としてはサービス回ではあった(笑)
まあ、事細かいことを求めればキリがないので敢えて事の経緯は割愛するが、両母の対立は将硝そのものが直接的な原因ではなく、既に二人の性格が似ているが故の価値観の違いという点にあったと言うことがようやく明らかになったような気がする。

将也が回復基調にあると言うことで結果論としてだが、両母は和解したとされる。だが、本質的には性格そのものは得てして似ている部分があるにせよ、価値観 はやはり違っている。それぞれの子供達に対する思いの差違もしかり、もっと本質的に女性としての何か。とでも言うのだろうか。
人払いをして似たもの同士酒肴に興じ、腹を割って話をする。そこでどんな会話が成されたのか、正直鷹岑には思いがつかない。ただ少なくても、硝子を廻る邂逅と過酷な運命がこの似たもの同士を引き合わせたとするとなると、その根は想像以上に深いもののような気はする。
でもまあ、本編では少女のように駄々をこねたり、強情を張るなど、鷹岑的に両母の良い点が悉に表現されていたので御の字ではあった。
この美人両母が縁者同士になる。と飛躍した想像をしてみるのも、また一興である。


またねーおばさんっ……! (植野直花)
技術的に引っ張る手法。顔出しをしないというのがミソだ。
しぬー!? (マリア)
この子役のセリフを見ていつも思うが、片言の日本語なのは何故だろう
痩せたなぁ… (石田将也)
そう?
好きなものでも買ってきなさい (将也母)
将也殿、お人払いじゃ。
しがらみ (将也)
しがらみがない人生はつまらんぞ。生きてゆけば分かること。
抜け毛 (ママ宮)
俺は・・・大丈夫♪