瀬尾公治氏『風夏』特別駄文考察
「涼風」か ら次世代へ繋いだラブコメ、有史初の三世代ラブコメを標榜する

~瀬尾氏の本領かつ瀬尾流ラブコメの基礎基盤作の派生作として遺憾なく滑り出した序 盤

「君のいる町」以来の瀬尾流漫画 の考察記事、一回限りの特別妄想駄文にお付き合いを

君のいる町、また瀬尾公治氏のファンの皆様、お久しぶりでございます。誰よりも瀬尾氏の作品が好きで、そして誰よりも一途に、瀬尾氏の作風を案じている 私、鷹岑昊が久方ぶりに瀬尾公治氏作品について語る場が来ました。特別考察記事として、今回のみの「風夏」記事ですが、宜しく最後までお付き合い願えれば と思います。

さて、かくいう鷹岑は君のいる町・全27集を収集したのを最後に、続編だとされる当・「風夏」は単行本を買っておりません。また、考察記事の参照として毎 号行っている、マガジンの切り抜きもしていないので旧話については深いことは言えない状況ですので、素頓狂なことを指摘されても何にも返せないのでそこの ところを御了解ください。あくまで、風夏・第33回を基軸とした妄想記事です。

●秋月家略歴(※妄想です)

秋月風夏西 暦939年。承平天慶の乱を勃発させた、伊予掾・藤原純友を討伐した“大藏春實(おおくらのはるざね)”という武官。三国志で有名な後漢霊帝の末裔とする 渡来帰化人とされ、彼を始祖とする大蔵氏子孫のひとつである、大蔵種雄を初代とする秋月氏。戦国時代の秋月種実や、その嫡流である江戸中後期の米沢藩主・ 上杉鷹山の実家、日向高鍋藩秋月氏など、秋月氏の有名どころは歴史上に名高き古代よりの由緒ある名族である。
その秋月氏に隠された分枝があった。元寇襲来で有名な、西暦1274年(文永11年)と同1281年(弘安4年)のいわゆる「文永弘安の役」で活躍した、 秋月氏第3代当主・秋月種家の庶子に、「良種」という人物がいて、ゆえあって安芸吉田荘の地頭毛利時親の下で育てられたという。毛利氏麾下にあって安芸比 婆郷に在し、秋月氏庶流の血脈を伝える。
南北朝動乱の時代には、多多良浜の戦いに足利尊氏方として参陣した良種の孫・秋月嘉種から始まって、秋月泰種ー秋月満種ー秋月種之ー秋月匡種ー秋月長種ー 秋月種誠ー秋月種俊と室町~戦国時代を生き抜いた。この比婆秋月氏は代々、家紋の由来でもある瞿麦を意識し、“大和掾”を自称してきた。
しかし、豊臣秀吉による毛利氏仕置によって比婆秋月氏も大小名としての威勢は落ちたが、帰農した後も地元名士としての地位は維持し、家名を現代に伝えてい る。
秋月家家紋・三つ撫子
秋月風夏は、比婆秋月氏第23代当主の祖父・秋月良夫の長男である秋月大和と、伝えうるに名族今川氏の分枝朝比奈氏当主・朝比奈泰紀の次女・涼風との間に 生まれた第一子であり長女である。父である秋月大和は、先述の秋月家の家紋である「三つ撫子」の由来である大和撫子に肖ったとされるほどであり、特段、父 良夫の期待は大きかったようだ。
さて、その大和と涼風の馴初めは、庄原市出身の漫画家・瀬尾公治氏が手掛けた列伝「涼風」に詳しい。

●榛名家略歴(同上)

榛名優源姓渋川氏(足利氏一門)の出自。渋川義顕の子・致顕が霊峰・榛名山の加護を受けて榛名氏を称する。榛名致顕の孫・ 榛名致義は岩松経家の朋輩として中先代の乱に参戦し、北条時行の正規軍と戦って戦死している。
致義の子である榛名致重は鎌倉公方・足利基氏の部将として活躍し、祖霊である榛名山の神威を関東一円に示すことに成功したという。その後、榛名氏宗家は致 康ー致時ー致忠ー致直と続いたが、戦国時代に新田氏の嫡流を称した岩松氏が零落すると同時に榛名氏も上野における威光に終焉を迎えることになった。
しかし、江戸時代には若かりし頃の徳川綱吉がインスパイアされたという文武両道の名士・榛名致高(源左衛門尉)を排出するなど、榛名氏は滔々とその血脈を 伝え続け、榛名優に至る。
榛名氏を初めとする上州群馬を本貫とする名族は、南朝を支持した新田氏の流れを汲むというプライドが根底にあるとされている。

●秋月風夏、榛名優との交際を始める?

「夏の風 享けて振り向く 秋の月」

“ふうかしゅうげつ”と、まるで四字熟語のようでもあるヒロインの登場がこの作品のラブコメ然とした根本だ。いやいや、果たして榛名。紛いなりにも天下を 震撼させた秋月家の令嬢を射止めたのです。
風夏は母である秋月涼風の容姿を色濃く受け継いだ美少女であるわけだが、性格は母のような気の強さと言うよりも、何処かしか一本気な浮世離れしたイメージ が強い。まあ、そこは瀬尾流のキャラを蹈襲していることもあるのだが、瀬尾流の醍醐味というのはヘタレなる主人公と、DQN系のヒロインという、ある種の 強烈なインパクトを秘めたペアが織り成す非現実感にこそある。
ゆえに、「風夏」が「君のいる町」ほどの高揚感に欠けているというのも分かるのだが、一般論としてはこれが当たり前なラブコメなのである。
榛名優■榛名優
瀬尾氏流の主人公としては、今のところは爪を隠したままの大人しげなイメージが強い。メインヒロインである秋月風夏に一途なところはいかにもだが、ヒロイ ン格である氷無小雪という国民的な人気アーティストが実は彼を想いつづけていた、という設定もまたラブコメならではの理想郷である。
秋月大和、桐島青大、相川亘ら瀬尾流の歴代主人公と比較すると、彼は一線を画して少女然とした装いを見せている。瀬尾氏が果たしてそこまで考えているかは ともかくとして、美人姉妹に囲まれて育ったからだ、と言われれば君のいる町で神咲七海を強制収斂させた藤河昭人というキャラクタの流れをくんでいるとも言 えるだろう。

涼風キャラ、容姿変わらず

藤川美穂?同 一作家による二世代型ラブコメという珍しい形式の「風夏」だが、前作の主人公だった秋月大和・涼風は本編では未だ未登場のようだ。技術的なものであって、 前作である君のいる町でも、東京編における桐島姉弟の隣室に秋月一家が住まうという設定ながら本編そのもので接触することはなかった。
まあ、混同してしまうことを避けるものであるが、サポーティングアクトレスは前作を通じて頻繁に登場している。
中でもハイツ旭湯の管理人・藤川母娘はそうした瀬尾流ラブコメのメジャー的存在として、作品の時系列を示しているわけだが、今回はそんな藤川美穂が大分美 人な容姿にリニューアルされて一コマを飾った。君のいる町の時点で大学受験が云々とされていたのだから、風夏では三十歳前後と言う事になるのだろうが、肝 心なる母・藤川綾乃はどんなに若く見積もっても五十路に触れている。中韓のドラマの如く、何故か女性は歳を取らない、というのもアレだが、こうも役得感や 美女だらけの天国環境というのも食傷気味ではある。
かと言って、あのツインテール美幼女・美穂ちゃんが一点磨れた醜女として描かれてしまっては立つ瀬がない。そう言った意味合いでは、歳を取っても美しくかわいいままで描かれることこそが、人気の源泉のひとつであることには間違いが無いのである。

●相思相愛、そして惜別、再びの復縁

瀬尾流は、誰にも想像し得なかった展開を以て良くも悪くも読者層に波瀾を来す。長期連載の維持の秘訣というのもその筆致に反比例した超展開というものにあると言える。
展開が見え透いているラブコメほど、つまらないものはない。と公言して憚らない瀬尾氏らしい、常識では考えられない行動を主人公達に課す訳だが、風夏(好きだから)風夏もいずれそうした瀬尾流の本領発揮という風になるのは必然的である。

まあ、この作品の基盤が「音楽」という事もあって、瀬尾氏の趣味遍歴を題材としたものである事は確かだが、いわゆる男女混合のバンドで御多分に洩れず聞く のはメンバー同士の色恋沙汰のようで、この作品に於いても、既に主人公・榛名優を廻って風夏や氷無小雪、そして黒髪ロングのツンデレ少女や外人を巻き込ん でハーレムを形成しつつある。
鷹岑は君のいる町で相当懲りているので考察はしないが、いかなる相関図形成を用いても、瀬尾流の法則で喩えるならば、主人公・優は風夏一途であると言うことは間違いが無いと見て良いだろう。
一波乱あっての心の離合集散、優の浮気なども着眼点にされるだろうが、唯一期待を持てると思うのは、今作品では、前作とは違って男性キャラが結構投入され ていると言う事であろうか。男女比率があまりにも極端だった君のいる町は後終盤相当ダレたが、風夏はそう言う点では寸分の期待を持っても良い流れのように 感じるのである。

萌えのツボを押さえた、瀬尾流美少女パノラマ

鷹岑は風夏断念の一因として主人公がツイ廃(SNS中毒)であると言うことを理由に挙げたが、そう言うキャラクタ設定の極端さは瀬尾氏の十八番である事を除き、正直瀬尾氏の描くキャラクタそのものの筆致はやはり群を抜いていると言える。
風夏(ギュッてして)「天は二物を与えず」とは良く言ったもので、瀬尾氏に対しては、その筆致と物語構成が反比例していることに、風夏に至ってもあまり変わっていないようである。
まあ、ラブコメと言っても多種多様なものなので、一概に瀬尾の話はダメだとは断定は出来ないのが正直な話ではあるのだが、奇を衒うやり方を追窮している瀬尾氏の描き方を批判するという考え方も理解は出来るようである。

それでもなお、瀬尾氏がその筆致で描く美少女キャラや、彼女らが発するシチュエーションやワードがいわゆる“萌え”という要素をストレートに突くというのもこれまた否定の余地がない事実である。
風夏の場合は、前作のヒロイン・枝葉柚希のように一度ミソが付いたキャラクタでもない、今のところは純真な娘に描かれている分、いかに瀬尾のアンチ層といえども、キャラクタ個々に無理強いの誹謗中傷は出来ないだろうと考える。

ツイッターでも誰かが言っていたことも含めて鷹岑も斯く思うのだが、瀬尾氏の漫画を楽しむ秘訣というのは、ストーリーではなく、その美少女の一挙手一投足 を楽しむと言う事であるようだ。鷹岑のように物語そのもののコンセプトの上に立って読むと、実に不毛であると言うことを、改めて前作・君のいる町の永きに 亘る考察経験から学んだひとつの結論であった。

鷹岑は風夏は断念したが、瀬尾氏の作品を楽しみにし続けている瀬尾氏ファンや、風夏ファン読者は、鷹岑の分まで当該作品を支援していって貰いたいものであります。

2014年10月8日 鷹岑昊

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