新旧を問わず視聴したアニメの感想です。

■君に届け 第9話まで DVD
評価:★★★★★ EXCELLENT!!

この作品で特に目を惹いたのはパステル画を前面に出した背景にある。タイトルのコンセプトである、シンプル・イズ・ベスト(この思いがあなたに届くように)をより一層引き立て、視聴者に感動を与える技法はそれこそ物語そのものを描くべき基本に沿ったものであり、当にディスイズアニメーション。パステル画調の背景によって、爽子や風早、吉田、矢野らメインキャラクタの「優しさ」がより一層際立っている。
個々のストーリーやキャラクタに触れれば、鷹岑の主観として、何と言っても風早(CV:浪川大輔)の“良い奴”ぶりには男なりとて惚れてしまいそうなくらい(笑) それ程までに、風早は完璧で、とにかく「優しい」。女性の視点から見れば様々な意見もあるかも知れないが、いちオノコとして、風早のような性格は、自分にとって無い物ねだりなのである。
胡桃沢梅(CV:平野綾)が満を持してメインストーリーに絡むところだが、鷹岑は“涼宮ハルヒ”シリーズの主役でトップ声優の地位を得た平野君は以前から、悪役(意地悪い役)もこなすべきアトモスフィアがある演技力だと思っている。胡桃沢梅が意地の悪いキャラクタかどうかは10話以降を観なければ判らないが、平野君の演技は主役よりも、そうした主人公・ヒロインのライバル・敵役としての方が映えると思う。実際、「あかね色に染まる坂」での釘宮理恵君との共演でも感じたが、玲瓏。文字通り鈴のような透き通った声の中に、激しい情念を秘めた役を演じさせれば、平野君の右に出る声優はそう多くはないとみる。
当該は能登・三瓶・沢城ら時の声優陣が肉付けする作品だが、やはり平野君はその中でも目立つ存在ではある(※注:鷹岑は別に平野君のファンではない)

■もやしもん(ドラマ版) 第2話まで BSフジ
評価:★★★★

アニメ版とはやはり展開が違うが、割り切ってみればなかなかいける。何と言っても美里薫役の笑い飯・西田幸治だろう。「本人ご苦労さん」という言葉は散々言い尽くされただろうが、鷹岑も言わせてもらう、「本人乙」。
また心和むのは、アニメ版よりもA・オリゼー(CV:冬馬由美)の活躍が格段に多いことである。実写版のドラマとはいえ、CGを駆使した当該作は、将来的にアニメキャラと実写俳優との共演・融合作品に向けた嚆矢となる可能性もある。

■アマガミSS 棚町薫編第1話まで BS-TBS
評価:★★★

伊藤静君が演技の真骨頂を見せた森島はるか編の余韻が覚めやらぬ内での新展開だが、今回のメインヒロイン・棚町薫(CV:佐藤利奈)は森島はるかと較べれば、インパクトにおいて格段に低いキャラクタだ。勿論、鷹岑はゲーム本編においても薫は好きなキャラクタである。ただ、アニメ版の場合はなかなか割り切ると言うよりも、どうしても続き物として視聴してしまう点があるので、やはり強い印象を与える描写が求められると考える。以前指摘したが、「ライト版“同級生”」。棚町編全4話でも、“変態紳士”という渾名を誇る主役・橘純一の本領を発揮してもらいたい。期待感を込めて☆3。