822
・八勇者、キングレオ元近衛中将・光神高経の援護を受けてアッテムト鉱山に進撃し、魔王エスタークの復活を阻止する(光神家文書)
・バトランド国王武宗、八勇者援護のためにバトランド国内の凶悪魔物を追討(勾家英傑武勇伝書)
・趙直忠政、エスターク討伐後に病臥し、ブランカ王国にて没す(天空勇者覚書)
・魔族の皇太子ピサロの愛妾・エルフ族の王女ロザリーが凶賊の手によって殺害される(魔太子哀愁録)
・光神高経、キングレオ王室の一門である獣王権を擁立し、ハバリアにて践祚の儀を執り行う(キングレオ王室譜)
・ピサロが八勇者に敗れ、デスキャッスルに退却。八勇者がこれを追撃(英武真記)
・詩人郝珉(ホイミン)、バトランドに渡航。吟遊詩人・観夏朝広らと清談(郝珉一代記)
・八勇者、デスキャッスルにおいてピサロを討つ。および、八勇者が故郷に帰還(英武真記)
没/ピサロ(デスピサロ) ロザリー ミアソフ 趙直忠政(23)
823
・八勇者の一、サントハイム王女アリーナ、同・神官クリフトと華燭の典。国王・島津忠堯がクリフトを養子とし、忠孚(ただざね)の諱を与える(夾西島津家文書)
・八勇者の一、ライアンが武功によってバトランドの車騎将軍に昇格。魔族の余勢を追討(勾家史文書)
・ロザリーヒルの村長・董忠瑯、ピサロとロザリーの慰霊祭を催す(ロザリーヒル通伝)
・アッテムト鉱山に瘴気が再発。ハバリアに流民が大挙。太子獣王権、アッテムト太守山臥信顕に流民帰還と保護を強く要請する(キングレオ王室譜)
・光神宗経に太政大臣を追贈、国葬される(光神家文書)
・魔族間に内紛が発生し、マスタードラゴンがこれを仲裁(天空秘伝書)
没/ロレンス(26) 文宇琩(33) ブランカ王国前鎮軍将軍夏越政直(71) ガーデンブルグ前後宮別当桃井直顕(68)

824
・魔族の王ニスゼン(安衍王)が天空人に追罰され自害(天空秘伝書)※1
・天空の勇者がブランカ国王・戴文帝に拝謁する(西文家文書)
・キングレオ太子獣王権、混乱に乗じて盗賊の住処となっていた王城を光神高経らとともに追討し奪還(キングレオ王室譜)
没/バトランド前車騎将軍廬晙(51) 赤薔薇輝之(66) 緒南晴綱(47)

※1 安衍王の自害 ……  デスピサロ滅亡後に起こった、魔族懲罰の波を最も象徴する出来事である。安衍王はピサロの叔父に当たる魔族の長であり、高潔な性質で信望が厚く、ナルゴス 王薨去後の皇位継承権を廻る争いの中でも常に中立の立場を保ち、ピサロとニュイイの暗闘を仲裁してきた、清廉潔白な魔族の長老であった。
ピサロが滅んだ後、マスタードラゴンに帰順し魔族の王に擁立された安衍王は、ひたすら帰順の意を示し謹慎していたが、ピサロの罪業を憎んだ天空人強硬派によって、魔族全体の追咎を図られ安衍王は全ての責を負う形で天空裁判と呼ばれる神界会議にかけられた。
しかし、この天空裁判では比較的穏健派の天空人や宥和派の執政官が排除され、魔族側の申し立てや弁護人も立てられない、事実上の欠席裁判であった。
マスタードラゴンの必死の嘆願も虚しく、判決は有罪となり安衍王は自害に追い込まれた。勢力の衰えた魔族にとっては正に泣きっ面に蜂。時代の流れに順わざるを得なかった魔族全体の悲劇と言えよう。