❝アニメ・風夏❞の旋風効 果幾ばくか。碧風を脱がすも一過性の話題に留まる

~秋風を退き、失敗を認めた瀬尾流。本誌本編への求心回帰を狙ったあざとき手法

■ はじめに

君のいる町のファンだった皆様お久しぶりです。風夏、久しぶりの特別考察記事を密かに書き下ろしたいと考えます。
アニメ版・風夏はいかがだったでしょうか? なんてしらじらしい問いかけは今更やめましょう(笑) まあ、この記事を読む気のある方々ならばもう観終わっ ていると思うので、最後はああなりました。まさに、原作者・瀬尾公治氏の本編構成の失敗を意味しており ます。アニメ制作陣も編集サイド側もあからさまに言ってないのですが、各インタビューや公式サイドのコメント等々を読めば、ぶっちゃけ「本編通りにアニメ 化すれば、円盤売れません」 と言う事なんですわ。そんなん最初からわかっているでしょう!? なんてツッコミをするのもアレなくらいの結末だったようです。

■筋が通らぬ作者の「生き ている秋月風夏が見たかった」発言

アニメ放送中の瀬尾氏インタビューにおいて、瀬尾氏は「僕自身、生きている(秋月) 風夏が見てみたかった」などと述べていたようであるが、この発言が本当のことだとするならば、実に不思議な事を言う人だという思いである。
鷹岑のような一介の読者や視聴者などの作者以外の人間が言うのならば話は分かる。ところが、実際に風夏を制作・描いている作者自身がそのような発言をする ことは、正直、意味がわからない。サンド富澤よろしく「ちょっと何言ってるかわかんないです」である。

鷹岑は秋風死亡退場の噂を聞いたとき、瀬尾氏自身が自信を持っ て秋風を死亡退場させたのだと高言して憚らなかったと記憶している。
だとするならば、そういう自信を持ったメインヒロインの死亡退場描写を、せっかく千載一遇のアニメ化において、正々堂々と表現してゆくべきではなかっただ ろうか。それを作者が自ら生きている秋風を見てみたかったから、本誌と違う流れで秋風を生かした、と言うのは、どう考えても筋道が通らないし、全く理解不 能の領域である。

こうした瀬尾流に限らず、全てのメディア作品に共通することだとは思うが、筋道の通らないストーリー構成は、どんなにキャストが豪華でも、おカネをかけて もつまらないものになってしまうものである。
作者自身が、自分自身に対する基本理念をしっかりと持って、その理念の上に立って構築してゆけば、作品は必然的に面白くなってゆくのである。そんなものだ ろう。

故に、アニメ版も原作通りに秋風を死亡退場させ、その上で瀬尾氏自身がそうした本誌本編で表現できなかった部分を付け加えてゆけば良かったのである。
それを、秋風は死なせないほうが良いという一時凌ぎにもならないハッピー(?)エンドを捏造した結果、アニメ版と本誌は全くちぐはぐなものになってしまっ た。
アニメでは秋風は生きてハッピーエンドとなったが、それで終わりである。ところが、本誌本編は全く別の話が続いている。その違和感は苛立ちとなって必ず、 今後作品そのものに悪い影響を及ぼすことになるだろう。

結局、何事も思いつきで事を進めるから全てにおいて筋が通らない。矛盾は屁理屈の上塗りで固めてゆき、御都合主義と揶揄される指摘にもカエルの面に何とや ら、なのである。まあ、そうした作品なのだから、アニメ・風夏の円盤の売れ行きというのは、なかなか厳しいのではないだろうか。公式同人誌とも言うべき瀬 尾氏のエッチな描き下ろし漫画が付帯されるという事なのだが、それが果たして販促効果に繋がるかどうかは極めて疑問である。
先述したように、そもそも話の筋道が通っていないのに、その様なオマケ目当てで円盤を買ってみたいと考える視聴者が、瀬尾氏信者以外にどれほどいるだろう か、という話である。まあ、それでもおそらく、制作サイドは「アニメは成功だった」と政治家の答弁よろしく強気なのだろうから、殊更とやかく言う筋合いで はない。

第151話のテコ入れは成功したのか?

閑話休題。さて、そうした名作入りを標榜したアニメ・風夏の放送終了にテコ入れをしてくるのかなと考えたときに、ちょうど瀬尾流お色気回が廻ってきたよう である。
碧井風夏を恋人に迎え、共同生活状態のブルーウェルズのメンバーがそれぞれ長期の一時離脱というまさにお誂え向きのご都合主義。勿論、そうなれば榛名優 (神人-かみゅうど-)と碧風の二人きりの生活という事実。そこで意識しなければ若者じゃない。とばかりに、オクテな榛名神人への想いと、自らいろいろなコトをしたいと 言って止まない碧風が再び、榛名神人に襲い掛かるといった感じでの話のようであった。
櫻井萌果
◀伝櫻井 萌果(風夏・第151話)


「涼風」の准ヒロイン格で、秋月風夏の父・大和が、母・朝比奈涼風との交際前に交際していた少女。いわゆる「かませ犬」である。涼風を想い続けているのに もかかわらず、萌果との交際に踏み切った大和と、彼女を痛烈にフった場面は、後の大作「君のいる町」の御島明日香にも踏襲された。瀬尾流には必ずこうした 厳しいフられ方を強要される「かませ犬」ポジションがある。
涼風連載時は、メインヒロイン朝比奈涼風よりも高い人気があったとされるが、いつしか汚れ役に貶められてしまった事で、瀬尾氏のこのキャラに対する見方が 分かる。ただ、実年齢は三十代後半以降だと思うので、若々しさはさすが女優。ワンポイントの秋月大和はすっかりと三枚目だが、桐島青大と同じフったという 罪悪感はあるようだ。

瀬尾氏はお色気描写そのものは一品級

瀬尾氏は物語の構成技術は五流以下だが、漫画の筆致。美少女の作画能力は一品級である。そこは素直に認めるところである。そうした瀬尾氏の筆致がもたらすお色気場面、つまりサービスカットは、本来強い浮揚効果があるはずなのである。
榛名優×碧井風夏の濃厚なキス碧 風はビジュアル的には前作の敗者・神咲七海系。秋風を思いつきで死亡退場させてしまったピンチヒッターとしては何とか頑張ってはいるように思えるが、なか なか自己中心的な言行でブルーウェルズの危機を招いているという批判も散見されるが、それもエロければいい、と言うような風潮で瀬尾氏に、今どきの漫画は 構成ではないと言わしめんばかりに、読者の足元を見られているのではないだろうか。

それでも、碧風はあの榛名神人の心をがチリとつかみ、ついでに胸もつかまれた…なんて下品なギャグよろしくなかなか積極的である。瀬尾流ヒロイン像としては珍しい。
瀬尾流歴代のメインヒロインとしては異色の途中参加のためかは知らんが、本人も語っているほどに好色のようだ。淫乱ではない、好色。何が違うんだという 突っ込みよろしく、瀬尾流の恋愛は、相手を一途に恋い慕う。脇目も振らない。好きな相手にだけ向ける好色、最高じゃないですか。
だから鷹岑は君町考察時代から言い続けているんです。瀬尾氏は黙って青年誌に行きなさい。少年マガジンにこだわる意味が分かりませんという事なんですわ。

ストーリー重視の鷹岑にとってはこれだけで十分

碧風はまあキャラクタとしては瀬尾流。ヒドイ奴だという心なき評価も多い(ただし、秋風も同様の評価が多いのだが)。しかし、何度も言わせるが見た目はや はり秀逸である。君町時代の神咲七海、御島明日香のリベンジ的(容貌的な意味で)として捉えればなかなか良い。断っておくが、それ以上でもそれ以下でもな い。
もしもアニメ円盤を買う目的が、瀬尾氏の描き下ろし漫画冊子だとするのならば、鷹岑は正直、要らない。ストーリー構成技術を評価したいから、公式同人誌のあまり意味のない、青年誌以上・成年誌未満の漫画を見なくても、この第151話で個人的には満足である。
碧井風夏の胸を・・・
唯我独尊の瀬尾公治氏もそういうところはさすがに理解しているのか、アニメの評判(第一話前後)がおそらく鳴かず飛ばずだったことを編集サイドと協議し、 この第151話に結びつけたのだろう。そうでもなければこのタイミングで〝いちゃいちゃシーン〟(瀬尾公治談)は、瀬尾流としては異例である。
だが、アニメ円盤の漫画冊子の販促効果も兼ねていたとするのならば、第151話を適当に流す、という事は出来なかったはずで、これを読んで、円盤冊子ではもっと過激な描写が読めますよ、というメタファーであったように、鷹岑は愚考する。
そういう意味では、碧風は取って付けたような瀬尾流キャラクタでもうまく型にはまっていて、第151話は、秋風ではおそらく出せなかっただろう。碧風には やはり秋風には不足気味だった、色気があるからである。円盤販促効果のお色気シーンのモデルとしては、期待以上のものがあったのではないだろうか(実際の 売り上げに結び付くかどうかは別として)。

しかし、最後のオチまで見事なる瀬尾流で、あれほど下品なエロを乱発する癖に、最後までしない、させない、出し惜しみ。再び目指すのか第200話記念を、といった感じである。
石見沙羅の勅命を帯びた青葉が、始終監視をしていたかどうか(多分していただろう)はともかくとして、タートルネックのセーターを慌てて下しただけで、 ベーシストとしての命ともいえる手首を痛めてしまう、ガラスの手首。来週以降、この痴技の代償を深刻化させることも十分にありうる。
しかし、恐れることなかれ。そこは瀬尾流チート主人公の榛名神人。並外れた自然治癒力によって数週も経たないうちに、ヘッジホッグス越えを真剣に致す榛名神人を拝むことができるだろう。
そして多くの男性読者期待の榛名神人と碧井風夏の初体験は、200話あたりまで先送りだぜ万歳三唱! まあ、生暖かく見守りましょう。なんだかんだと言って打ち切りはないですから。編集部に保護されている漫画家は強いんですよ。いえ、本当に(笑)

ではでは、駄文長文ご清覧いただき有難うございました。またいつか、お会いしましょう。