ドラゴンクエストⅪ~過ぎ去りし時を求めて~プレイエッセイ⑤

サマディー王国~ダーハラ湿原

ファーリス、顕道王の寵愛甚だしく重責をフェルナンドに受流し シルビア、颯爽と王国に騎士道を顕示するのこと 


第二のぱふぱふ娘に激おこのセーニャ

サマディーのぱふぱふ娘沙望関を抜けると、一面砂漠の世界。だが、テイルズオブヴェスペリアのように、灼熱地獄・方向感覚喪失と言ったサハラ砂漠のような感じではなく、緑も点在する砂の原と言った感じ。オーストラリアの大鑽井盆地のようなイメージがある。
首都・サマディーはオアシス国家で競馬が盛んな国という、少し風変わりな国家。サマディー王・顕道王が開闢したと伝えられるが、その顕道王は壮年。王妃も 年相応で美しい。騎士道を堅持する国家と言う事で、嫡嗣は国民の前に滅多に姿を見せないという、一子・ファーリス。兄弟姉妹がいれば鎹にも防波堤にもなれ るのだろうが、一人息子のようでどうも顕道王夫妻は過剰に期待を掛けすぎの色がある。

と、それはさておき、さておき……。わがフェルナンドはサマディー城下への散策の途上、見つけてまいました。そう、ぱふぱふ娘です。激おこのセーニャ
火邑の里の少しじぇごくさい湯女の女の子とはまた雰囲気を変えた、巨乳の色っぽい娘。モブなんだろうけど、ホントレベルが高いなあという印象。灼熱の国と いうイメージから、エキゾティックというには肌が白いので少しだけ場違いかなとは思ったが、神妙な表情ながらも実は好き者然としたフェルナンド。ぱふぱふ しない? という娘の誘いに「はい」とドライに答えたものの、傍らにいた女性陣の反応の冷たさよ。好感度パラメータがあればだだ下がりだぞとばかり。
特に「まあ、勇者さまも男性ですから仕方ありません。私は理解しているつもりですよ…」と寛容な微笑みを見せるセーニャ。ほっとして背中を見せた直後に、 腰に手を掛けて激怒の様子。そこで「ぱふぱふなら私が致しますのに」とでも言ってくれればさすがは勇者の守人よ、身も心も癒やし給わん。となるのであろう が、痩せても枯れてもドラゴンクエストは全年齢対象。教育上の問題があります(とは言うものの、ずっと踊り子の服を纏わせている私も大概だが)。
ここの踊り子はまた、懐かしい雰囲気をそのまま伝えている。DQⅢの、これってどこの街だっけ。アッサラームだったと記憶しているが、エキゾチックな雰囲 気も含めて、お帰りなさい、こんにちは。といった感じである。ちなみに、この場面だけで、一本即興小説が描けそうな気がする(笑)

武田鉄矢「遙かなる人」の一節、旅空の本棚に有り。思わず一聴する果てしなき旅路

前評判の極めて高い、ファーリス王子。顕道王への拝謁と合わせて、王子にも面会を求めたいと考えたフェルナンド。サマディー城の門をくぐり、猫好きな人々 にとっては天国のような動物がうようよといる回廊を進む。何と顕道王夫妻の寝室も自由に見学して構わないという、実に大らかな雰囲気に感心しながらも、さ て城のファーリス王子の私室にある本棚の一節を見て、私はすぐに想起したのが、武田鉄矢の楽曲「遙かなる人」であった。遙かなる人
『本など広げて言葉を探すより、空を見上げている方がずっと賢くなれる』
思わず、CDをセットして「遙かなる人」を流す。武田が敬愛する、坂本竜馬のイメージを充てた楽曲と聞いているが、フェルナンドが開いている本の一節も、 奇しくもそれと同じニュアンスだ。小さな悩みや千言万語も、晴れ渡る蒼穹を大地に仰向けになって見渡せば、何でもなくなる。
ファーリスが実は大器であるという見方は、彼の初登場時から感じていた。奸邪な人間が、遙かなる人を聞く訳がないからだ。

名将・王騎の気風、初登場。シルビア姐さん(♂)イメージCVは小山力也)

シルビアそ して、ここに来ていよいよ初登場。謎の旅芸人・シルビア。まるで若かりし頃の「キングダム」の王騎将軍の気風を備えたようなキャラクタ。イメージボイスは 勿論、小山力也。今回のドラゴンクエストで実質的なもうひとりの主役(?)的なイメージが私の中にはある(ちなみに私は事前情報や、プレイ情報は一切見な い)ので、間違っているかも知れないのだが、その気風や実力は知勇兼備の名将そのものである。おネェ系なのは今流行なためか。
そんなシルビア姐さん、イメージ通りに格好いい。サーカスで天才的曲芸を発揮。屋良有作氏が演じた、DQⅣのパノンとは芸風がどう違うのかは判らないが (シルビア姐さんならば、話術も天下無双だろう)、ある意味純粋なフェルナンドや、やや悲観で斜に構えたカミュの保護者的な立位置として、パーティメン バーの枢要となりそうだ。あの、ベロニカもシルビアさんと、さん付けなのであるから驚きだ。

ファーリス、シルビア姐さんに気概を示され、王道に覚醒す

ファーリスファー リスと重なるのが、DQⅧのサザンビークの王子・チャゴスだが、チャゴスと異なるのは、ファーリスは王国嗣子としての自覚そのものはあると言うことだ。 チャゴスは虎の威を借る小物然とした存在だったが、彼は大物を気負わなければならない重圧に苦しめられていた存在。昨今の日本や、小説・漫画などではこう 言う場合、決まって歪んだ性格に陥るものだが、ファーリスはそういうことはない。まさに本棚の本の一節、「遙かなる人」なのである。
砂漠の殺し屋・巨大サソリの存在も今に始まったことではないが、フェルナンドの来訪時宜よろしく暴れ出し、誅伐に行かざるを得なくなったのであるが、良心の呵責と、嗣子としての気概と重責が決断を余儀なくされる自体となったのは運命なのだろう。
ファーリスとシルビア
フェルナンド一行が誅伐した巨大サソリの捕縛。行賞はファーリスのものということにする。という言葉をカミュに窘められるものの、そうするしかないと返すものの、心の中はさらなる葛藤。全く、チャゴスとは似て非なる物だ。
止めを刺す前に捕らえられた巨大サソリは、王城正門で息を吹き返す。断末魔の足掻きだったが、ファーリスは腰が抜けたようにへたり込み、本性を出してしま うが、ここにきてシルビア姐さんが気概を示す。性根に騎士道精神を刻みつけられたのが好転したファーリスは、巨大サソリに立ち向かう姿を、国民に示した。 それまでの百聞噂話だけで誇張されてきたファーリスの「人間」がようやく現れた瞬間である。
シルビア姐さん仲間にそ して、ここでもシルビア姐さんは格好良さを遺憾なく発揮。まさに王騎よろしくファーリスに「騎士」たるやの精神を覚醒させた。おそらく、ファーリスの自立 を求めて、この町にやって来たのではないだろうか。そうした中で、フェルナンドと出会った、という訳なのかも知れない。

しかし、こんなおネェ系キャラでありながら、実は「ノンケ」であった、という設定がラストあたりで明らかになったりはしまいかと、考えてしまう訳で(笑) シルビア姐さんは、最後までエンディングまでシルビア姐さんであって欲しいと思っている訳なのであります。

それでは、また次回。