週刊少年マガジン 2018年26号 主要作品感想と考察

廉士、宵旰を過して門前に倒仆し、五月が小昴(小プレアデス)の主導を模索せしめ
 三浦介、通例定石に遵い保険医皆本まで〝非モテ〟樋口に想いを寄せる展開を求め、河口に近づく


五等分の花嫁 春場 ねぎ

第39話「七つのさよなら①」 / 評価★★★★★ / アンケート投票対象 / 一番面白かった作品 / 購入動機対象作品

難攻不落・二乃篇。チャプタータイトルの「七つのさよなら」という言葉が気になるところだが、その七つが何なのかというのは正直、予測が付かない。
ただ、我らが廉潔の士・上杉風太郎が、中野小プレアデスたちの為に宵衣旰食を続け、疲労の果てに門前で意識を失っているという構図。重箱の隅をつつくような議論が相も変わらずネット上ではあるようだが、そんな事はどうでも良く、風太郎が、恋愛感情ではなく与えられた君命を真っ当せんとしているという事なのである。「皆で先に始めてますよ」と言う五月の表情は言う迄もなく嬉嬉としたものであったはずである。
二乃が五連星随一の繊細な神経の持ち主という評価は的を射ている。
さて、我が尊敬するテレフォン人生相談の加藤諦三・大原敬子両先生に掛かれば二乃の反発の要因が何処にあるのか、即断で判るだろう。二乃の性格から考えれば、両親のことがまずあるはずだ。父親が原因か、その割には家庭教師解任の危機を救っている。ならば、母親か。夭逝による死別か、離別かはまだ詳細が語られていないが、二乃の姉妹に対する想いと、風太郎に対する想い。最後の味方であったはずの五月までも風太郎に〝陥落〟した事による孤独感、というのはあまりにも短絡的すぎる。

風太郎が部屋に帰ろうとする二乃に「(他の姉妹と)喧嘩するのは本意では無いだろう?」と言われて反応する。ここに彼女の心の壁を崩す何かがあるような気がする。解決策は何なのか。二乃は金髪の風太郎(キンタロー)に求愛するほど『惚れて』いるから、風太郎がここで「あの写真は昔の俺だったんだ」と、二乃の部屋で彼女にだけカミングアウトする方策。しかし、どうだろうか、今この時にそれを告げて、余計に気力を失ってしまっては元も子もない。
二乃は風太郎に対して、「異分子」と邪険にしながらも五月までも彼に対して変わり、また実績としても亀足ながら着実に効果を上げている点を認めざるを得ず、ポジティブな考え方から述べると、風太郎に甘える切っ掛けを摑めない藻掻き、のように思えてしまう。
小プレアデスの潜在能力を見通している廉潔の士・上杉風太郎。恋愛感情が常に中天にあって、三玖や一花に邪な感情を抱いていないことを解っているからこそ、逆に二乃は反発する。甘えたいのに、どうせ自分だけを見てくれはしない。三玖と、一花はそれが判っている。五月は風太郎の宵旰の努力と、ちゃんと一人一人を解って見てくれていることが嬉しくて仕方が無いのである。
二乃の「七つのさよなら」は、彼女の心の『わだかまり』の数である事を思っている。

今回のイメージソングは、谷村新司「小さな肩に雨が降る」。二乃の心を思って聴いた。

彼女、お借りします 宮島 礼吏

第44話「彼女とベランダの約束②」 評価★★★★ / アンケート投票対象

今回の桜沢墨を見ていると、桐原いづみ氏「ひとひら」の主人公・麻井麦を想起する。「優しい子」が「レンカノに向いてないわけ無い」という和也の言葉だが、これって良いこと言ったつもりなんだろうか。レンタル彼女は、私からすれば風俗業の一つであって、「君は風俗業に合っている」という風に聞こえる。まあ、そんなことはどうでも良いだろう。

さて、敗将・七海麻美が、ようやく「レンタル彼女」の制度を知り、それを旗幟に様々な策略を仕掛けんとする空気が発生する。すべてが逆効果になる事を承知で仕掛けてくるのか、和也にすべては虚構の上で織り成す道化の如しと言われて関係破壊を望むのか(自分との復縁は望まず)。いずれにせよ、この漫画に出てくる風俗嬢は、皆和也に良い影響を受けているようで、羨ましいですね。

ドメスティックな彼女 流石組

第188話「生きている証」 評価★★ / アンケート投票対象

少なくても、主人公が刺殺されかけた重大事件なはずで、顛末は下ネタと随分とお粗末も良いところだ。流石組の構成技術の限界をここに見るか、という感じ。
生死に関わる重大事件であって、何週もかけて重苦しい雰囲気に至って良いのである。当たり前だろう。それを聳然とする逸物をなんとかかんとか、と。もうね、アホかと、馬鹿かと。

先生、好きです。 三浦介 糀

第21話「保健室の先生は好きですか?」 評価★★★ / アンケート投票対象

保健室の美人女医・皆本の主人公樋口誘惑の話、と言うことだが、お約束というか切羽詰まったラブコメディの常道定石手段と言う事で、この作品もいよいよ河口が近いかなというイメージである。
私が当初から物語の基幹部分の矛盾点である主人公・樋口の「非モテ」設定が、突然、「モテ期到来」という取って付けたような都市伝説に憑拠しているところが実に情けなく感じる。
「今までモテたことがない男」が、ラブコメの主人公になれるわけがないのはもう、過去の名だたる短命作品群を繙けば自明の理。「モテ期」は何とかという怪しい自称専門家風情の造語で、根拠はない。
樋口が、非モテ設定。という時点で、この作品の命運は決まっているのです。初期設定は本当に大切ですね。


マガジン第26号 アンケート

面白かった作品5作品
① 彼女、お借りします
② 先生、好きです。
③ 五等分の花嫁
④ 男子高校生を養いたいお姉さんの話
⑤ ドメスティックな彼女
一番面白かった作品
五等分の花嫁
読んでない作品
ランウェイで笑って
購入動機対象作品
五等分の花嫁
新連載「オリエント」について。読んだか
読んだ
面白かったですか?
普通
良かったところ3つまで
① 武蔵と小次郎の幼少期
② 武蔵が武士団を作ろうと小次郎を誘うシーン
③ 武蔵が「武士」になると宣言するシーン
武蔵についての印象1つ
かっこいい
大高氏の前作「マギ」を読んでいたか
読んでいない
今後の展開に期待すること3つ
① 武蔵の戦闘シーン
② 小次郎の 〃
③ 武蔵と小次郎の友情
グラビアについて。また見たいか
いいえ
満足度
普通
その他の意見感想など
今回の新連載ですが、血戦の九遠を打ち切って、またコンセプトが似たような作品を持ち出してくると言う編集方針に、些か疑問が残ります。
今回の新連載告知の中にあった、瀬尾氏の漫画ですが、週刊誌で本気で長期連載を目指すつもりならば、是非原作者をつけてあげるべきです。
ネームバリュー、実績度のみに頼って、長期連載ありきの復活は、ベテラン読者から見れば、一発で判ります。そこのところを、編集部は
理解しておく必要があるかと思います。