週刊少年マガジン2019年15号の主要漫画の感想・考察記事

風太郎、中野大公に引見され、監学傅五星中外諸文事(家庭教師)に再陞叙され、五連星ε秘密吐露の機を時宜に逸し
 瀬尾公、狭隘なスターシステムに凭り最大作を未だにその残影を断ち切れずにいると言うこと


ドメスティックな彼女 流石組

第223話「埋められないココロ」 / 評価★★★ / 面白かった作品

巻頭カラーは良いが、ミサキが病院を拒絶する理由というのが、現行リアルメディアを騒がしている某グルーヴのメンバーと重なって実に偶然性が高くて笑えない。
ミサキはもうダメだろうが、ナツオもまた隠匿罪としての堕落が予想される。そうした中で、陽菜の付け入る隙は極めて大きいものになるのだろう。いいぞ、もっと堕ちろナツオ。

五等分の花嫁 春場介 ねぎ

第77回「女の戦」 / 評価★★★★★ / 面白かった作品 / 一番面白かった作品 / 購入動機対象作品

武田甲斐守祐輔と鞦韆に興じる風太郎。それが、中野家当主・丸男から招喚されたことを失念し、帰ろうとした矢先、丸男が登場。風太郎に対する発言は、監学傅五星中外諸文事(家庭教師)への復官と同時に陞叙。学業のみならず、小プレアデス五連星の卒業後の進路までも見定めるという難問に、風太郎は挑もうとしていた。あくまで役職としてのみの五星への接触を念押す丸男に対し、「自分はそうしている」と切り返す。一花、二乃と好意を寄せられていることを識っている風太郎は、意識的に距離を測らんとする態度に出るが……。
帰ろうとする風太郎に隠し事していると勘付く五月。何時しか積極的になっていた五月が風太郎に迫る。隠していることを言えば、自分も今思っていることを風太郎に言う。しかし、上手くいかない。三玖が拵えたパンを食べてみてと言われ硬直する四葉。修学旅行を前に、五連星はそれぞれの手練手管で風太郎の陥落をもくろんで行く。
そうした中、風太郎の生徒手帳にあった写真が五月がダンボールを持ち去った後に堕ちているのを一花が見つけ、妖しい嗤笑を生む。五連星のそれぞれの想いが交錯する中で、〝零奈〟の変装衣装が、五月のものだったことが判明。果たして、風太郎が白昼夢として見た〝零奈〟は五月なのか。アニメ放送も佳境を迎える中で、物語は中核に迫って行く。

誓鐘下のキスの相手が五月という正当嫡流の展開を匂わせる展開。ファーストコンタクトの相手が、偕老同穴のパートナーとなれば、古式ゆかしいラブコメの王道の中の王道だが、重ねて、五等分の花嫁というタイトルコンセプトからは逸脱する。

それでも歩は寄せてくる 山本 崇一郎

第3話 / 評価★★★★★ / 面白かった作品

変則的な、「イジらないで長瀞さん」である。マガポケならば絶対的に読むが、カオスな本誌で生き残れるかどうかが心配だ。

彼女、お借りします 安芸厳島 宮島礼吏

第82回「彼女と夢のデート⑤」 / 評価★★★ / 面白かった作品

思わず胸を触ってしまった和也にワンビンタを撲ち、条件反射ですと謝る千鶴。内容は、レンタル彼女としての務めを全うに果たした千鶴と、彼女の夢を下支えしたいという和也の思い。2人の進展は多分、見えないところで動いているのだろうと信じたいところだ。


面白かった作品5つ
① 彼女、お借りします
② 五等分の花嫁
③ それでも歩は寄せてくる
④ ドメスティックな彼女
⑤ 出張読切『クロマティ高校職員室』
一番面白かった作品1つ
五等分の花嫁
読んでない作品
ランウェイで笑って
購入動機対象作品
五等分の花嫁
部活動について。経験したことのある文化系部活動2つまで
将棋・囲碁
経験してみたかった文化系部活動1つ
演劇
グラビアについてまた見たいか
いいえ
満足度
普通
その他の意見・感想等
瀬尾公治殿は、いつまで自身の曲がりなりにも最大ヒット作である『君のいる町』のキャラクタたちを冒瀆するのか、全く意味がわからない。編集部の話をすると言いながら、結局はチート主人公のモテハーレムが地金にあり、新鮮さが殆どない。ランウェイ共々、月刊誌への昇格を早々に望む。
「夜になると僕は」は、別マガへの遺跡で良かったのではないか。終わらせるべき作品を依然存続させ、将来展望がある作品作家を終わらせるというのは本末転倒というものであろう。
また、紙媒体優位の企画は時代にそぐわないことを識るべきだろう。紙でしか見られない、受けられないグッズのために、紙版移行というのはまず、ありえない。