「怨嗟の楔」椿太郎氏への激励上疏書全文

「楽々神話」以来の御意を得ます。
椿さんの弛まなき努力と向上心が「怨嗟の楔」連載化に漕ぎついたことを考えれば、楽々が好きだった者として感慨深いものがあります。
2019年第20号に掲載された読切四頁「夏休み中盤」で氏の筆致の飛躍的向上を感じつつも、キャラクタ設定は楽々を踏襲しているなと感じまた氏がこれからもマガジン畑で連載を?み取る向上心を窺い知ることが出来て大変嬉しく思いました。
「怨嗟の楔」は月刊畑の別冊少年マガジン本年第2号において読切掲載されましたが、氏の本領は週刊畑ではなく月刊以上の誌で発揮されると信じていた手前、怨嗟の楔のクオリティと楽々のキャラクタ設定のエッセンスを継承する「椿流」の世界観を再見することが出来ました。
連載化に伴いネームの再編成も行われ、キャラ付けも厚くなる作業になったようですね。氏のTwitterアカウントもいつの間にか消え、漫画家業に専念するという気概を感じました。頑張ってください。
楽々、夏休み、怨嗟とヒロインに共通するのはその容貌と明朗闊達な性格、髪型と云えます。氏のこだわりが感じられますとともに、楽々以来の椿流読者にとって共通の認識ではないかと考えます。
作中、ヒロイン・奏月が子供の女の子に胸を大きくする秘訣を問われた際に読切では程よい「食事と睡眠」としていたのに対し「食事と運動」と変化したのは重畳です。秘訣という者は多分ないのかも知れませんが、睡眠より運動というキーワードの方が、大きくなると言う意味で説得力があると思いました。

楽々時代と比較してその恐ろしいほど秀麗精緻となった筆致画力。とは言いながらも楽々のキャラクタを思わせるどこか懐かしい、あのヒロインとの再会を見るようで、ジャンルはラブコメではないにしろ、楽々の初心を踏襲せし氏らしさは、夏休み~怨嗟(読切)~怨嗟(連載)に至るまで不変であると改めて感じます。
今回は氏が得意とする月刊畑。アンケートも入れました。SNSでの宣伝拡散もバッチリです。どうか、今度は二桁単行本を目指して頑張りましょう!